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5領域別の活動内容紹介~児童発達支援,放課後等デイサービスでは何をしている?!

児童発達支援、放課後等デイサービスは5領域と呼ばれるものを総合的に支援の中に取り入れることが必要不可欠ですが、「5領域の活動内容って?」と悩まれる支援者も少なくありません。

今回はその5領域に沿った活動内容を、児童発達支援(個別,集団)、放課後等デイサービス(以下.放課後等デイ)(個別,集団)

児童発達支援,放課後等デイサービスにおける5領域とはなにか

児童発達支援、および放課後等デイサービスは本人支援、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携を行うことが役割とされています。

その中の本人支援では5領域の視点を用いながら子どもの育ちに必要な全体的な支援が求められます。

詳細はこども家庭庁の各種ガイドライン・手引き等についてをご覧ください。

5領域の活動内容

領域児童発達(個別)児童発達(集団)放課後等デイ(個別)放課後等デイ(集団)
健康・生活手洗い練習、着替えの練習、食具の使い方、トイレトレーニング朝の会・帰りの会での生活習慣の確認、みんなで給食準備スケジュール帳,メモ帳の活用練習、身の回りの整理整頓、セルフケア支援グループでの掃除や準備活動、役割分担を意識した活動
運動・感覚バランスボール、粘土、指先遊びリズム体操、サーキット遊び、外遊びでの運動タブレットや道具を使った巧緻性の練習、ストレッチダンス、協力を要する運動遊び
認知・行動色、数概念など概念形成の練習、視覚スケジュールで活動の見通しを持つ集団でのルール遊び、絵合わせゲーム学習支援、スモールステップでの課題解決練習グループ課題、集団での宝探しゲームなど
言語・コミュニケーション絵カードを使った言葉のやりとり、発語練習、絵本の読み聞かせ歌や手遊び、自己紹介ごっこ、絵本の読み聞かせ会話のロールプレイ、キーワードを使って文章を作るグループディスカッション、言葉遊び
人間関係・社会性一対一での模倣遊びや役割交代遊び集団ゲーム、順番・交代を経験する遊び一対一でのSST、相手の気持ちを考えるワークSSTゲーム(気持ち当てゲームなど)、集団活動でのふるまい練習

各領域は互いに関連しており、支援活動は複数の領域をまたぐことも多いです。
そのため、一つの枠にとらわれず、包括的に捉えて個々のニーズに合わせた柔軟な支援を行うことが大切です。
※こちらで公開している活動内容を一部であるため、これ以外にも多数考えられます。

下記において詳細に綴ります。なお、集団型のサービス提供している事業所の場合は必要に応じて個別で記載している内容も参考にしてみてください。関連した記事についても載せてます。

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児童発達支援(個別)における5領域の活動内容

健康・生活

・手洗い練習
体調管理として手洗い、園生活や家庭など様々な場面において「手洗い」は行われるため、見本提示や視覚提示で練習を進めましょう。

・着替えの練習
上着を脱ぐ、ズボンを脱ぐ、もしくは着るなど着脱に関した練習をしましょう。ボディイメージや巧緻動作の練習と合わせることも大切なことです。

・食具の使い方
スプーン、フォーク、箸の使い方について、補助具の活用から段階的進め自立を目指しましょう。
ビーズ箸を使った箸の練習

・トレイトレーニング
溜められるようになったか、濡れている感覚の有無、排尿時間の把握など、家庭と連携しながら行いましょう。

運動・感覚

・バランスボール
ボールを触ったり弾いてみたり、あるいは乗ってみたり、様々な使い方で体を動かしてみましょう。

・粘土遊び
家庭では中々感じられない感触を楽しみましょう。触覚だけでなく、前庭感覚、固有感覚など様々な感覚器官を感じられるものを選びましょう。

・指先遊び
ポットン落としやビーズ通しなど手先を意識した活動です。指先の使い方(指腹や指先など)に着目しながら進めましょう。

認知・行動

・色、数概念など概念形成の練習
色や数、形など様々な認知の形成を目指すために、物を操作しながら習得を目指しましょう。

・視覚スケジュールで活動の見通しを持つ
視覚スケジュールなどを用いながら活動や家庭生活などで円滑に過ごせる方法を探っていきましょう。

言語・コミュニケーション

・絵カードを使った言葉のやりとり
絵カードを交えながら言葉のやりとりを学習していきましょう。実際に絵カードを用いることで自分、相手が話すターンを視覚的に示すことができます。絵カードに限らず、音声、動作なども交えていきましょう。
絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)のメリット・デメリット

・発語練習
実際の場面の中から言葉を伝えることや落ち着いた場面で絵カードや実物などを用いながら進めましょう。
言葉の発達~0歳1歳2歳3歳』『言葉の発達~4歳5歳6歳

・絵本の読み聞かせ
絵本を見ながら「この先どうなるんだろう」と登場人物の気持ちや行動を予想したり、言葉を真似することにも繋がります。
発達に合った人気な絵本の選び方』『発達に合った絵本の読み方

人間関係・社会性

・一対一での模倣遊びや役割交代遊び
言葉を育むためには遊びは重要で、遊び方を伝えることで、人とのやりとりが生まれるため、遊びの段階をしっかりと分析していきましょう。
真似で育むコミュニケーション』『遊びで育む言葉の発達

児童発達支援(集団)における5領域の活動内容

健康・生活

・朝の会・帰りの会での生活習慣の確認
友達と一緒に参加する会は家庭では中々経験出来ないことです。友達と座ったり、挨拶をしたり基本的な習慣身に付ける学習になります。

・みんなで給食準備
給食、おやつに限らず、活動の準備など、人と一緒に協力しながら生活するという意識を身に付けることができます。

運動・感覚

・リズム体操
友達と一緒に音楽に合わせて体を動かしたり、動物になりきってみたり楽しめます。

・サーキット遊び
トンネルやネットなどの障害物を潜り抜ける動きなどで普段使わない動きを引き出すことができます。

・外遊びでの運動
外の散歩で自然を感じたり、公園の雲梯で遊んだり、身近にあるものをきっかけに心身ともに成長に繋げることができます。

認知・行動

・集団でのルール遊び
運動あそびや言葉遊びなど、待つことや交互に活動に参加することで他者意識を芽生えさせながら認知面を活性化させられます。

・絵合わせゲーム
2枚を合わせて一つの絵になるカードや山札、取り札のあるカルタのような対となるカードゲームを使って概念習得にも繋げることができます。
言葉を伸ばす絵カードマッチング

言語・コミュニケーション

・歌や手遊び
活動の合間に取り入れることで気分転換になります。一緒の歌や手の形を作ってみて見せ合いっこすること面白いです。

・自己紹介ごっこ
お名前や年齢、好きな食べ物など、子どもたちにお話する時間も貴重な経験となります。

・絵本の読み聞かせ
大人が読むことや、次のページの内容は終わった後に内容の振り返りをしたり、集団ならではのやり方もあります。

人間関係・社会性

・集団ゲーム
友達と一緒に楽しめる、じゃんけん列車や猛獣狩りのようなものは協調性も育まれます。

・順番・交代を経験する遊び
活動合間の待ち時間もそうですが、箱積みのように交互に墓を積み上げることもスリル感があって楽しめます。

放課後等デイサービス(個別)における5領域の活動内容

健康・生活

・スケジュール帳,メモ帳の活用練習
先生のお話をメモしたり、1日の予定をスケジュール化して考えると、勉強時間や余暇時間についてを客観視することができます。

・身の回りの整理整頓
荷物整理や持ち物管理、身なりについての整容に関しても生活を送る上で欠かせません。

・セルフケア支援
ではないでしょうか。体調管理とそて手洗いうがいはもちろんのこと、体調の把握や整え方について学ぶこと、対処法に関して学ぶこともセルケアとして知っておくべきこと

運動・感覚

・タブレットや道具を使った巧緻性の練習
タブレットのようなICT端末の操作や学習用具、家庭用具などの操作を身につけることはあらゆる場面で役立ちます。

・ストレッチ
柔軟性は怪我のリスクを減らすことにも繋がります。それだけではなく心身共に整えることができる。

認知・行動

・学習支援
学校授業科目だけでなく、本人が学習しやすい手立てを考えることも学習支援で欠かせない考えではないでしょうか。

・スモールステップでの課題解決練習
技能習得に向けて細かく段階に分けて順を追って練習を進めていきます。

言語・コミュニケーション

・会話のロールプレイ
日常会話のテーマを決めてそれについての話を進めることや伝えたい内容を文章にして伝える練習をする。

・キーワードを使って文章を作る
決められた言葉から派生してできる文章を考えましょう。その言葉はどのような特徴、他の言葉が考えられるか、言葉の繋がり学ぶこともできます。

人間関係・社会性

・一対一でのSST
自分たちの好きなもの、嫌いなど、伝え合うプレゼンの練習は様々な場面で使えます。
自分の好きなもの・きらいなもの

・相手の気持ちを考えるワーク
気持ちの温度計を使って感情の強さを表現することや、自分や相手の気持ちを比較し考える練習になります。
気持ちの温度計

放課後等デイサービス(集団)における5領域の活動内容

健康・生活

・グループでの掃除や準備活動
当番活動で役割を持ち、責任感を少しずつ覚えることにも役立ちます。

・役割分担を意識した活動
共同での調理や工作活動を通しながら、生活スキルや協働力を育むことができます。

運動・感覚

・ダンス
動きの真似や模倣を音や人に合わせた動きを統合しながら体を動かすことができます。

・協力を要する運動遊び
ペア活動としての障害物競走やボール運びリレーなど相手を意識した活動を取り入れることで人と一緒に運動する楽しさを学びます。
室内でもできる体を動かす運動遊び

認知・行動

・グループ課題
おつかいごっこ、話し合い活動で、自分や相手の意見を引き出すことやそれらについて、どのようにまとめるか考える活動もグループ活動として取り入れることが出来ます。

・集団での宝探しゲームなど
お題に沿った宝さがしを見つけることや、なぞときのようなクイズを一緒に挑戦して楽しむこともできます。

言語・コミュニケーション

・グループディスカッション
言われて嬉しいことや嫌なことなど、グループ内で話しあって、まとめたり記録をしたり、人との話し合いに置いて必要な力を練習できます。

・言葉遊び
話の内容を覚えてそれを次の人に伝えるような伝言ゲームや物語の続きを考えるような言葉遊びをチームで行うことでチーム中で言葉を育めます。

人間関係・社会性

・SSTゲーム(気持ち当てゲームなど)
友達の気持ちを当てるゲームとして、そのときに感じた気持ちを友達に発表してもらうことや、「自分は~のように思った」など伝え合うことも社会性としてとても重要なことです。

・集団活動でのふるまい練習
活動を進める上で必要なルールなどを自分たちで作ることや、トラブルがおきた時の対処法をロールプレイとして学ぶこともお勧めです。

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