コトノハROOM

コトノハROOMには無料教材には載せていない教材や先行、限定記事を公開しています。

教材や記事に関しては定期的に追加されており、ご家庭や教育現場、発達支援などで幅広く使える構成となっています。

ご利用の場合はnote『コトノハROOM』を購読ください。

※noteは非会員でも購読可能です。

多くの人に使っていただけるとコトノハ教室運営の励みになります。

更新情報

更新情報

【6月の更新情報一覧】
・数の学習『たし算・20までの数』『ひき算・20までの数』『たし算・ひき算・20までの数
・言語の教材『文をつくろう
・ひらがな学習『文字を並び替えよう
・ビジョントレーニング教材『形を置き換えよう

特定の場面になると話せなくなる悩み〜場面緘黙とは〜

初めての場所に行くときや、人前で話すときに緊張したり、「いやだな〜」と感じることは誰にでもあることです。

不安な気持ちや嫌な気持ちは、誰しも一度は経験したことがあるでしょう。

しかし、そのような気持ちがあまりにも強くなり、「まったく話せなくなってしまう」ほどの悩みを抱える人もいます。

このように、特定の場面で話すことができなくなってしまう状態を 「場面緘黙(ばめんかんもく)」 と言います。

場面緘黙のある人は、「話そう」と頑張っていても声を出すことが難しく、場面によっては身体が固まって動けなくなってしまうこともあります。
これは単なる「引っ込み思案」や「恥ずかしがり屋」といった性格だけでは説明できないものです。

今回は、誤解されがちなこの「場面緘黙」について、少しでも理解を深めていただけたらと思います。

場面緘黙とは

場面緘黙とは、特定の場面で話すことができなくなる状態を指します。

例えば、家庭や仲の良い友達とは普通に会話ができるけれど、学校や外出先では話せなくなってしまう。
話すことだけでなく、身体が緊張して動けなくなる場合もあります。

精神的には「不安障害の一種」とも考えられています。

「Aという場面で話そう」と事前に決意していても、いざその場になると不安が一気に高まり、声が出なくなってしまうのです。

場面緘黙の発症率はおよそ 100人に1人 と言われていますが、実際には見逃されているケースも多く、もっと多い可能性があるとされています。

場面緘黙は気付かれにくい

場面緘黙が周囲に気づかれにくいのには、いくつかの理由があります。

  • 発症は未就学期から始まっていることが多いが、周囲が「話せないこと」に気づくのは小学校入学後が多い。
  • 入学式などの新しい環境では「みんな緊張するもの」と思われ、対応が後回しになってしまう。
  • 家庭ではよく話すため、「学校ではちょっと内気なだけ」と誤解されやすい。
  • 医療機関によっては場面緘黙に詳しくない場合もあり、受診しても「恥ずかしがり屋」で済まされてしまうことも。
  • 学業に支障がなければ、配慮は不要と判断されてしまうこともある。

引っ込み思案と場面緘黙ってどう違う?

引っ込み思案:内気な性格で、自分から積極的に関わることが苦手。場面を問わず一貫して控えめな傾向が見られる。

場面緘黙:特定の場面(人前など)で不安が強くなり、話せなくなってしまう。逆に安心できる場面では、むしろおしゃべりになることも多い。

どうして声が出ないの?: マンガでわかる場面緘黙

どうして声が出ないの?: マンガでわかる場面緘黙

はやしみこ
1,633円(06/15 18:05時点)
Amazonの情報を掲載しています

場面緘黙の「ループ」とは

場面緘黙の子どもたちは、次のような「ループ」を繰り返していることがあります。

① 集団場面で話しかけられる(不安になる)
→ ② 声を出せない
→ ③ 近くの人が代弁・代行する
→ ④ その場がやり過ごされる(不安場面が一時的に終了)
→ また①に戻る

このループによって、「話せない場面」を繰り返し経験し、不安が強まっていくことがあります。

また、③の「代弁」が続くことで、

  • 「誰かが代わりに話してくれるから大丈夫」
  • 「代弁してもらって申し訳ない。早く話さなきゃ。でもできない」

といった心理が生まれ、さらに不安が強まるという悪循環になることもあります。

場面緘黙の支援では、まず「話せる場所/話せる人」を特定することから始めることがあります。
その詳細については下記記事でも紹介しているため、よろしければご覧ください。

人気記事ランキング

1

ことばは1歳頃から話し始めると言われますが、話し出す前からも指差しをしたりママ・パパに目線を向けたり等コミュニケーションは始まり大人と笑い合ったり物の受け渡し等のやりとりから学習していきます。 このや ...

2

3歳以上になってくるとことばでのやりとりが出来るようになり、遊んだ場所やお友達の名前などを少しずつ子どもからお話出来るようになります。 そして5歳になると就学にむけて文字の読み書きや表現力が豊かになっ ...

3

私たちの周りにはひらがなや漢字が当たり前のように使われますが、ひらがなは文字学習の中でも特に早期に学習します。 そこで今回はひらがな練習における進め方のポイントと無料教材についてご紹介していきます。 ...

4

赤ちゃんが喜ぶおもちゃ、歩き始めるようになってきたら喜ぶおもちゃ。子どもたちが喜ぶおもちゃは数多く存在しています。 ここでは私がことばの学習で使用する物や保護者におすすめとしているおもちゃを紹介してい ...

-子育て情報
-