特定の場面になると話せなくなる悩み〜場面緘黙とは〜

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初めての場所へ行くときや人前で話す時は緊張したり「いやだな〜」と思うことは当たり前のことです。

嫌な気持ち、不安な気持ちそのような気持ちは誰もが感じた事があるかと思います。

しかしそのような気持ちが強くなりすぎてしまい、話すことが一切出来なくなってしまう悩みに苦しめられる人もいます。

このように特定の場面で話せなくなってしまうことを場面緘黙と言います。

場面緘黙の人たちは頑張って話そうとしても声を出すことも難しく場面によっては身体も動かなくなってしまうということもあります。

これは引っ込み思案な人と誤解されがちですが、実は性格的な問題だけでは言い表せません。

今回は誤解されがちな場面緘黙について少しでも知っていただければと思います。

✔本記事の内容

〇場面緘黙についてわかる

場面緘黙とは

場面緘黙とは特定の場面において話すことができないことを言います。

例えば、家庭や仲の良い友達とは普通に会話をすることは出来るけれど、外出先や学校では話すことが出来なくなってしまうのです。

場面緘黙は会話することだけが出来なくなる訳ではなく、身体が緊張してしまい動けなくなってしまうこともあります。

そして一種の不安障害に類するともされています。

Aという場面で一言でも話そうと事前に思っていても、実際にA場面になると不安が強まりすぎてしまい声を出せなくなってしまう。

場面緘黙の発症率は100人に1人と言われていますが、世間に浸透されず見逃されていることも考えられるため実際にはこの数よりも多いと言われています。

場面緘黙は気付かれにくい

場面緘黙は気付かれにくいと言われており、その理由として以下の事があります。

・場面緘黙の発症は未就学の段階から始まっているが、場面緘黙だと周囲の人間が認知する時期は小学校へ入学してからが多い。

・入学式など新たな環境に変わった時期などは「みんな緊張して当たり前」と思われてしまい「様子見」など先延ばしにされてしまう。

・場面緘黙の子どもたちは家庭ではたくさん会話をすることが多いため,「学校では少し引っ込み思案なだけ」と思われやすい。

・もし病院への受診を決意しても医療機関によっては場面緘黙の存在を熟知している訳ではない。受診先でも会話することができず、恥ずかしがり屋さんで終わらせてしまうことが多い。

・学業面で大きな問題が見られなければ、学校での配慮は不要と決められがち。

引っ込み思案と場面緘黙ってどう違う?

引っ込み思案:内気な性格で積極的に動くことが苦手な人。特定な場面というよりは、あらゆる場面において引っ込み思案的な要素が見られます。

場面緘黙:特定の場面、特に人前など不安要素を強く感じてしまうような場面で会話することが出来ないこと。落ち着いたりリラックス出来るような不安が無い環境であれば、緘黙場面よりもむしろ積極的に話すことが多い。

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場面緘黙のループ

場面緘黙は強い不安を感じてしまうと声が出せません。

①集団場面で話しかけられる(不安に感じる)②声を出せない③近くの人が代弁する(行動する)④その場の話は終了(不安場面が一旦なくなる)→①からの流れを繰り返す。

場面緘黙の子どもたちは必ずしも当てはまる訳ではありませんが、このループを繰り返すことによって症状が現れていると考えられています。

場面緘黙の子どもは【③近くの人が代弁する(行動する)】ことによって特定の場面から遠ざかるすべ学習していきます。この学習が成立すると「誰かが代弁してくれる」という気持ちになるだけでなく、「代弁してくれて申し訳ないから早く声を出さないと」と余計に不安な気持ちが強まり逆効果になってしまったりします。

発達支援の中で「様子を見ましょう」と言われる事が度々見受けられます。

様子をみましょうということはこのループを繰り返すこと。繰り返すことによって不安な気持ちが強まっていくことは上の通りです。果たしてこのループのまま「様子をみましょう」と言うのが正しい事なのでしょうか。

場面緘黙の克服としてまずは話せる場所や話せる人の特定から始める場合もあります。詳細は下記記事参照ください。

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