子どもが算数でつまずく原因は?「数の考え方」を知ろう

日常生活で当たり前のように使っている「数」。買い物のお金、時計の時間、スマホの電池残量など、数は私たちの身の回りにあふれています。

しかし、子どもにとって「数」を理解し、算数の問題を解くのはとても複雑な作業です。 「足し算や引き算が苦手」「文章題になると手が止まってしまう」といった算数のつまずきは、実は「数の考え方」の基本となる土台部分に原因があるかもしれません。

数には複数の役割があり、子どもが数を理解して計算や文章題(推論)を解くためには、4つのステップ(数の考え方)を経る必要があります。

数の理解に必要な4つのステップ

数の考え方には、以下の4つの段階(ステップ)があります。

数の考え方

①数処理
②数概念
③計算
④推論


数そのものに対する基本的な理解(①②)があってはじめて、それを組み合わせて計算(③)や推論(④)を組み立てることができます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

数処理|「音声・文字・モノ」を結びつける

一番の土台となるのが「数処理」です。数には以下の3つの要素があり、これらが頭の中で一致している必要があります。

数(数詞)

「いち、に、さん、し、ご」という言葉としての数え方

数字

「1,2,3,4,5」という字

数(具体物)

「〇〇〇〇〇…」のように実際に数えられるもの

数処理

数字    →見てわかるもの(視覚情報)
数(数詞) →数えるもの(音声情報)
数(具体物)→目で見て動かす(視覚操作)

「数字の『3』を見て、『さん』と読み、りんご『3つ』を思い浮かべる」。大人にとっては簡単ですが、子どもはこの3つの要素のどれか1つでも欠けていると、次のステップに進めません。

数の概念|順番と量を理解する

数処理ができるようになったら、次は「数の概念」の理解に進みます。数の概念には大きく分けて2つの側面があります。

序数性(順番)

「前から数えて何番目?」のように、順序や位置を示す役割。

基数性(量)

「りんごは全部でいくつある?」のように、全体の大きさや集合を示す役割。

計算

小学校の算数でイメージしやすいのが、この「計算」です。計算には「暗算」と「筆算」の2つの考え方があります。

暗算の考え方

足し算・引き算で答えが20までの計算や、九九(99まで)の計算です。
暗算をするには「10までの数の合成・分解(いくつといくつで10になるか)」がパッと理解できている必要があります。最初は「おはじき」などの具体物を使い、徐々に数字だけの計算へと発展させていきます。

筆算の考え方

暗算の範囲を超える大きな数の計算です。 繰り上がり・繰り下がりといった「位取り(くらいどり)」のルールを理解することと、複数の桁が並ぶ式を全体的に捉える力(空間的・視覚的な処理能力)が必要になります。

推論|文章題を解く力

推論とは、算数でいうところの「文章問題」を指します。一番応用的な力です。 文章題を解くためには、以下の2つのプロセスが必要です。

  1. 統合過程
    文章(ことば)を読んで、問題の状況を頭の中でイメージする
  2. プランニング過程
    イメージした状況から、「足し算かな?引き算かな?」と考え、実際に式を組み立てる

【つまずきポイント】
推論は「文字を正しく読み、意味を理解する」ことが大前提です。算数以前に「読み書き」や「言葉の理解(語彙力や読解力)」に難しさがある場合、ここでつまずいてしまうことが多くなります。

まとめ

数というものには①数処理 ②数概念 ③計算 ④推論 という4つのステップが必要不可欠です。①と②が基礎となり、④に向かうにつれて応用編となります。

もしお子さんが「算数が苦手」と感じている場合は、いきなり計算ドリルを何度も解かせるのではなく、「①〜④のどの段階でつまずいているのか?」を一つずつ確認してみてください。

  • 言葉と数字、実際の数が一致しているか?(数処理)
  • 10までの合成・分解ができているか?(計算の基礎)
  • 文章の状況をイメージできているか?(推論)

つまずいている箇所に戻り、おはじきやブロックなどの「具体物」を使って、目で見える形でサポートしてあげることが大切です。

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