昨日、今日、明日ということばは私たちの会話でよく使われます。「昨日は何食べた?」「今日は暑いね」「明日遊ばない?」など。
今回はこの昨日、今日、明日という概念の学習方法についてお伝えします。
昨日、今日、明日の概念学習の前に
これらの時制を示すことばを学習を進める前に2つの学習について進めることもあります。
それは
①ひらがな曜日カード
②カレンダー
の2つです。
これらは昨日、今日、明日の概念だけでなく、曜日や日付などの時制の学習にも役立つので先に少しだけ紹介します。
ひらがな曜日カードの学習
まずは月曜日〜日曜日の曜日について学習していきます。ひらがなを読めるのであれば、ひらがな曜日カードを使って曜日順に並べることや、ひらがなを読むことが苦手であれば月曜日=月のようにイラストを用いることもいいでしょう。
最終的には曜日には月曜日〜日曜日まであること、月曜日→火曜日→…→日曜日という順番があることを教えていきましょう。
曜日について興味が出てきたら次のカレンダー学習もおすすめです。
カレンダーの学習
カレンダーは家庭でも使われる日用品のため指導の時間だけでなく家庭でも取り組めるので『家庭でできる方法』としてお伝えすることも多いです。
カレンダーは1〜12月、1〜30日(月により28〜31)、月曜日〜日曜日のように全部で3要素(月、日、曜日)関わってきます。
始めから3要素全てについて学習を進めることは難しいので1要素ずつ学習を進めましょう。
刺激量の調整
カレンダーだと28〜31日までのマス目が存在して刺激が多く混乱を招いてしまうこともあります。
その時は1〜2週間単位のカレンダーを使うことや、3〜4週目を隠すなどの方法で刺激量も調整してください。またカレンダーだけでなく、ひらがな曜日カードを活用することもおすすめです。
では下記から昨日、今日、明日の学習方法についてお伝えします。
昨日、今日、明日の概念の学習方法
上記においてひらがな曜日カードやカレンダー学習についてお話しました。これらの学習の中に昨日、今日、明日の学習を取り入れる場合は『きのう』『きょう』『あした』のような文字チップを使うことが多いです。
文字でなく、『昨日は赤』『今日は青』『昨日は黄』など他に当てはめて使用することもあります。
これらを使って
①昨日、今日、明日の位置関係
②昨日、今日、明日の出来事
についての学習方法をお伝えします。
昨日、今日、明日の位置関係
使用する教材は以下の通りです。(上記のものです)
・ひらがな曜日カード or カレンダー
・文字チップ(きのう、きょう、あした)
上記の教材の使った方法を以下に示します。
順に並んでいるひらがな曜日カードやカレンダーを用いて、文字チップを置いていきます。
始めに今日の日付(曜日)に『きょう』の文字チップを置いていきます。その後「今日の次は?」に対して『あした』の文字チップを置くことや「今日の前は?」では『きのう』の文字チップを置くなど学習を進めましょう。
つまり、昨日の次は今日、今日の次は明日などの順序性を理解すると位置関係を学習できます。
昨日、今日、明日の出来事
昨日、今日、明日の位置関係の教材を使用する。もしくは位置関係の学習の次に実施することもおすすめです。
昨日、今日、明日の意味をことばで伝えることは大変難しく私もどのような説明がいいのか試行錯誤中です
。
そのため実際の出来事と照らし合わせるように学習を進めることが多いです。
未来形である『明日』『今日(今から先)』よりも過去形である『昨日』『今日(起床して今まで)』の方が子どもは考えやすいです。(未来系は必ずしもそのようにならないこともあるため)。
実際の出来事を引き出すには関心度が高い話題を中心に進めます。特に旅行や遊びといった楽しい話題は子どもの記憶に残りやすいです。それに加え「食べた物」の話題について使うことも多いです。
これらの話題を使いながら「昨日は何して遊んだの?」「今日は何を食べたの?」などの質問をしていきます。(=非現前事象.詳細は下記参照)
思い出して話すことが苦手な子どもには、絵カードや写真の中から昨日、今日のことを見つけてもらうことも考える手掛かりとなります。
他にも指導者が「先生は昨日◯を食べたよ」と伝えなら昨日の場所にその絵カードを置くことによって理解度が高まることが多いです。
未来形のことばに関しては『今日(この後)』の出来事など近い未来から考えましょう。文字チップで『あした』を置く場合は「明日食べたいもの」「明日遊びたいもの」を中心に『明日(翌日)』それらを行うことで理解していきます。
昨日、今日、明日の学習では保護者と事実確認をしましょう。もし学習を始める前に保護者に確認できれば前日や今日来るまでに遊んだことや食べたものを聞けるといいです(終わった後や明日の予定も同様)。
まとめ
昨日、今日、明日ということばは日常生活で『話しことば』として使われることが多いです。今回はひらがな曜日カードやカレンダーなどを用いて学習する方法をお伝えしましたが、これらの概念を身につけることによってより日常生活が楽しめるのではないでしょうか。概念学習はこれだけでなく、他の方法もあるかと思いますが、子どもたちのことばの発達にここでの話が参考になったら幸いです。