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遊びで育む言葉の発達〜ことばの促しや気持ちを落ち着かせる関わり方を解説〜

赤ちゃんから大人まで、遊び方はそれぞれ異なりますが、「遊び」という行為そのものは誰もが経験してきたものであり、形を変えて続けていきます。

大人になると経済的な余裕ができ、それに伴い遊びの内容が豪華になることもありますが、子どもであっても大人であっても、遊びは欠かせないものです。

本記事では、そんな「楽しい」という気持ちをベースに、子どもと遊びながら言葉の発達を育む関わり方について紹介します。

さらに、言葉の発達だけでなく、気持ちを落ち着かせる効果についても合わせてお伝えします。

今回は、遊びを通してどのように言葉が育まれていくのかについて、具体的にご紹介していきます。

遊びながら言葉を育む関わり方

遊びながら言葉を育む関わり方として、以下の3つの方法を挙げます。

これらは状況に応じて組み合わせながら行うのが効果的です。

3つの関わり方

◆遊んでいる場面で一緒に関わりながら言語化
◆遊んでいる場面を客観的に言葉で伝える
◆遊んでいる場面を静かに見守る


以下では、それぞれの関わり方について、人形遊びの場面を例にしながら説明します。

子どもが人形と食べ物を使っておままごとをしているところに、大人が一緒に加わるという設定です。

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遊んでいる場面で一緒に関わりながら言語化

子どもと一緒に遊びながら、子どもの行動を言葉にして伝えます。

例えば、子どもが人形にりんごを食べさせる場面では、「りんご食べさせてあげるね」と声をかけてみましょう。

子どもが「りんご」と単語で話している場合には、「りんご食べようね」といった2語文で伝えます。

2語文で話せる子どもには、「赤いりんご食べようね」といったように、発話にもう1語付け加えて語彙を広げるのがポイントです。

言葉の発話がまだ難しい子どもに対しては、「りんご」「あむあむ」などの単語やオノマトペ、ジェスチャーを交えて関わっていきましょう。

注意点として子どもの理解レベルにも配慮しなければなりません。

ポイント

◆ジェスチャーや発声がある子どもには単語で関わる
◆単語で話す子どもには2語文で関わる
◆2語文で話す子どもには3語文で関わる

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遊んでいる場面を客観的に言葉で伝える

この方法では、大人が正しい言葉を教えるというより、子どもが行っている行動を客観的に伝えていきます。

例えば、子どもが人形にりんごを近づけているとき、「それをそこに動かすんだね」といったように、代名詞を使って状況を言葉にします。

この方法は、言葉の学習だけでなく、子どもの創造性を尊重する意味合いも持っています。

たとえば、子どもが実際には「りんごの匂いを嗅がせる」という遊びをしていたのに、大人が「りんご食べてね」と言ってしまうと、子どもの意図に反する声かけになってしまいます。

このように子どもの意図にそぐわない声かけは、創造する機会を奪ってしまう可能性があります。

子どもの様子や目線、言葉をよく観察しながら、あくまでも見たままの状況を伝えることがポイントです。

対象物を明確にせずあえて代名詞を使うことで、子どもの発想や解釈を広げることもできますが、理解が難しい場合は具体的な言葉で伝えましょう。

遊んでいる場面を静かに見守る

この関わり方では、大人から積極的な声かけは行わず、子どもが遊ぶ様子を静かに見守ります。

ただし、子どもから話しかけてきたときは、その声かけには応じていきましょう。

この関わりの中で、大人は子どもがどのような感情で、どのような反応を大人に期待しているのかを見極めることが求められます。

その見極めができたら、言葉で返したり、一緒に遊びに加わったりして、別の関わり方へと移行していきます。

状況に応じて関わり方を組み合わせる

上記の3つの関わり方は、状況や子どもの様子に応じて柔軟に使い分けていくことが大切です。

明確な目標がある場合は、同じ関わりを繰り返すこともありますが、基本的には子どもの反応を見ながら調整しましょう。

大人の一方的な関わりや、まったく関わらないという極端な関わり方は、子どもとのコミュニケーションにはつながりません。

また、子どもが遊び方に困っているようであれば、大人が人形やおもちゃを動かして、遊び方を見せてあげることも必要です。

遊びの魅力とその効果

これまで紹介したような関わり方を通して、以下のような効果が期待できます。

遊びの効果

①言葉の使い方を学べる
②子どもの考えを表現することができる
③気持ちを落ち着かせることができる

①言葉の使い方を学べる

遊びの中では自然なやりとりが生まれるため、日常的な言葉の使い方を身につけやすくなります。

絵カードなども効果的ですが、遊びには「楽しい」という感情がともなうため、より前向きに取り組むことができます。

②子どもの考えを表現することができる

人形遊びやおままごとでは、子どもが選ぶ道具や動作にその子なりの考えが表れます。

時には作品のように形として残ることもあり、そこから子どもの心の中を読み取ることもできます。

遊びの時間は、子どもが自分の思いやイメージをじっくりと表現する貴重な時間です。

③気持ちを落ち着かせることができる

遊びは、子どもが自分の気持ちを自由に表現し、誰からも否定されることなく過ごせる時間です。

制限の多い日常とは違い、遊びの時間では子ども自身の発想が最大限に活
かされます。
この自由な時間が、心の安定にもつながります。

この効果は、遊んでいる最中だけでなく、遊び終わった後や帰宅後まで続くことがあり、生活全体を落ち着かせる助けにもなるでしょう。

これは、大人が美味しいものを食べたり映画を観たりしてリラックスするのと同じことです。

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一緒に遊びを楽しむ時の注意点

子どもの意欲を引き出すためには、発達段階に合ったおもちゃを用意することが大切です。

また、自由な遊びを尊重しながらも、時には制限を設ける必要がある場面もあります。

どのような遊びでどこまで自由にするか、目的を明確にして関わるようにしましょう。

まとめ

今回は、遊びを通じて言葉を育む方法と、気持ちを整える効果についてお伝えしました。

もちろん、ここで紹介した以外にもさまざまな関わり方がありますが、最も大切なのは「遊びは楽しいものだ」という前提です。

この「楽しい」という気持ちこそが、子どもの言葉を引き出す力になります。

ぜひ、日々の中で子どもとの関わりの時間を大切にしていきましょう。

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