子どもが突然、「ママ、みて!」「できたよ!」と声をかけてくる場面は、日常の中で何度も訪れます。
忙しい家事の途中だったり、手が離せないタイミングだったりすることもあって応えることが難しいときもあるかとおもいます。
けれどこの「ママみて!」には、子どもの心の成長において、とても大切な意味が込められています。
この記事では、「ママみて!」という言葉の背景にある子どもの気持ち、それにどう応えるかがなぜ大切なのかについて考えてみます。
「ママみて!」はただの自慢じゃない
子どもが何かを成し遂げたとき、大人に見てほしくて「みてみて!」と呼びかけます。
この時、つい「はいはい、すごいね」と流してしまうこともあるかもしれません。
けれど、子どもはただ「褒めてほしい」わけではなく、「自分を見てほしい」「わかってほしい」という気持ちを伝えており、この「注目される経験」が、子どもの自己肯定感の土台をつくっていきます。
「見てもらえる」ことが子どもの安心感につながる

親の視線は、子どもにとっての落ち着ける空間でもあります。
特に信頼する大人の注目は、子どもの心に深い安心感を与えます。
この安心感があると以下のような力を身に付けていきます。
■自分の気持ちを表現する力
「うれしい!」「できたよ!」という気持ちをことばにする練習になります。
■人とつながる力
反応をもらえる経験が、「やりとりって楽しい」という感覚につながります。
■次に挑戦する力
認められた経験が、「もっとやってみよう」という意欲を育みます。
このように見てもらえることによって、子どもは安心して自分を表現することができています。
忙しいときは「ひとこと」でも大丈夫
もちろん、いつでも完璧に向き合えるわけではなく、夕食の準備中、仕事の合間、疲れているとき…そんなときに限って「ママみて!」が飛んでくることも。
そんなときは、無理せず、できる範囲で「見てるよ」のサインを返してみましょう。
たとえば
■「ほんとだ〜!すごいね!」と声をかける
■一瞬目を合わせて「うん、みてるよ」と伝える
■「あとでゆっくり聞かせてね」と先につなげる
このように子どもは「ちゃんと気づいてくれた」と感じることで、十分に満たされることがあります。

応えてもらえなかったときの子どもの心
もし、「ママみて!」に繰り返し応えてもらえなかったとしたら、子どもは次のように感じるかもしれません。
■「言ってもムダだから、もう言わない」
■「どうせ自分の気持ちは届かない」
■「やっても意味ないかも」
こうした気持ちは、自己表現や自己主張を抑えることにつながり、社会性の成長にも影響する可能性があります。
だからこそ、大人が「どう受け取るか」がとても重要です。
おわりに
「ママみて!」という言葉には、「自分の存在を認めてほしい」「大切にされたい」という深い意味があります。
少しでも、目を向けて言葉を返すだけで、子どもの心には「自分は大切にされている」という感覚が育っていきます。
忙しい中でもできる範囲で、「ちゃんと見てるよ」「気づいてるよ」のサインを送ることで、子どもの安心感と自信につながり、毎日の小さなやりとりの積み重ねとして成長を見守ることができます。