「どう声をかけたら会話が増えるんだろう?」と、子育て中の保護者の方なら一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
そんなときにぜひ知ってほしいのが、子どもの言葉を無理なく育てる「リキャスト」という声かけの方法です。
この記事では、リキャストの意味や具体例、家庭での活用方法をご紹介します。
リキャストとは?子どもの言葉を「育てる」返し方
リキャスト(recast)とは、子どもの言葉をそのまま受け止めつつ、少しだけ言い換えて返す声かけのことです。
正すのではなく、自然な言葉のモデルを示すように返してあげることで、子どもが無理なく語彙や文の形を学んでいくことができます。

たとえば:
子ども:「わんわん、いた!」
→ 大人:「ほんとだ、犬がいたね!」
子ども:「バナナ、あむ」
→ 大人:「バナナ食べたいんだね」
子ども:「これ、あっち」
→ 大人:「これをあっちに持っていきたいのかな?」
このように、子どもの気持ちを否定せず、自然な形で言葉を広げて返すのがリキャストのポイントです。
なぜリキャストが効果的なのか?その3つの理由
■否定せずに学べる
「それは違うよ」ではなく、そっと言い換えてあげることで、子どもは自信をなくさずに学べます。
■ 日常の中で自然に学べる
遊びや食事、移動中など、特別な時間や道具がいらず、いつでも実践可能です。より自然な流れで言葉の学びが深まります。
■会話が続く・広がる
リキャストは「直す」ではなく「つなげる」声かけであり、子どもがもっと話したくなる、伝えたくなる関わり方です。
家庭で今すぐできる!リキャスト活用シーン
■食事中に
子ども:「おにぎり、おいしい」
→ 大人:「おにぎりおいしいね〜。おかわりする?」
■おでかけ中に
子ども:「でんしゃ、きた!」
→ 大人:「電車が来たね。大きいね〜」
■絵本を読んでいるとき
子ども:「ワンワン、ねてる」
→ 大人:「ワンちゃん、寝てるね。夢を見てるのかな?」
こうした日常の中でのやりとりに、リキャストはすっと取り入れられる声かけです。
リキャストのコツは「すぐ・さりげなく」
リキャストは、子どもが話したすぐあとに、自然に返すのが理想です。
「今のちがうよ」ではなく、「赤い車だね」「ブーブが走ってるね」と、やさしく言葉を添えるように使ってみてください。
言葉だけじゃない、心も育つリキャストの効果
リキャストは、言葉の発達を助けるだけでなく、子どもに「話していいんだ」「聞いてくれている」という安心感や信頼感も与えてくれます。
これは、自己肯定感を高める土台にもつながります。
まとめ:リキャストで育つ「ことば」と「伝えたい気持ち」
リキャストは、今日からすぐにできる、子どもの言葉を伸ばす優しい関わり方です。
大切なのは、子どもの言葉に耳を傾け、その言葉を育てるように返すこと。
リキャストを通して、親子の会話がもっと楽めたら幸いです。