ことばの指導でなぜ絵カードを使う?

「ことばの数を増やしたい」「発音をよくしたい」などことばに何らかの悩みを抱える人たちが増えてきている昨今ですが、そのような人たちに対してことばの指導を進めていきます。
ことばの指導は言語聴覚士に限らず保育士や学校の先生なども実施しており指導の中で絵カードが使用されることが多いです。そのようなことばの指導ですが「なぜ絵カードを使うのですか?」「絵カードがなくても出来ませんか?」など純粋な声も挙がります。
そこで今回はことばの指導でなぜ絵カードを使うのかについてのお話。

絵カードを使う理由

そもそも絵カードはことばの指導以外でもスケジュール提示視覚情報で伝える(コミュニケーション)方法としても使われます。ことばの指導場面においては絵カードを選ぶこと(選択)言う(呼称)指導が多いです。ここでは、なぜそのような絵カードを使うか掘り下げて考えていきます。

絵カードで実際のものや出来事を表現できる

ことばは世の中に無数に存在していますがことばの指導では身近にある、かつ実用的なことばを優先的に指導していきます。
ことばはものの名前(名詞)動きを示すことば(動詞)などがありますが、名詞や動詞を始めとすることばは日常生活の中で育まれます。名詞としてバナナ、りんごなどの食べ物(果物)が好きな子どもは多いです。しかし、本物の果物を使うには準備や管理が至難の業です。実際の指導では果物だけでなく様々なことばの習得を目指し、果物以外として公園といった名詞もあります。しかし、それらは指導室に持ってくることは非現実的なため、絵カードとして用いることは有効的ですよね。※1)
動詞においては顔を洗う靴を履くごはんを食べるなどのことばがあります。このような動作を学習することは語彙を増やすだけでなく文章の組み立てに役立つ要素の1つです。※2)
他にも形容詞や色、文字、状況を示すカードなどもありこれらに共通して言えることは絵カードだけでそれらを表現することができるということが最大の利点ではないでしょうか。

※1)ことばの学習において実物を見ながら進めることがより理解が深まります。集中的に関わったり実物を大人側が管理ができるような環境であれば前向きに取り入れていきましょう。しかし、実物でのことばの学習が得意となったら絵カードなど実物ではないものに当てはめて指導を進めていきましょう。
※2)動作絵カードの認識が苦手な場合、実際の動作を見せることや模倣することも活用していきましょう。

絵カードを使うデメリットは?

絵カードを使う理由は上記の通りですが、必ずしも絵カードが万能な訳ではありません。絵カードでは動きのあることば(以下.動詞)や状況は示すことばは理解しにくいです。
例えば『(服を)着る』という動詞がありますが、その絵の中には服と人物などの要素含まれますが、もしかしたらそれを脱ぐという動作の捉える可能性もあります。そのためその動作を実演することや、服が移動する方向を絵カードの中(矢印など)で示すと必要があるかもしれません。

状況を示す絵カードでは人物やもの、場所など複数の要素が組み合わされ、各要素がどのような働きがあるのか全体を捉える必要があります。絵カードは当たり前ですが静止画として示されているため連続画として示される動画の方が伝わりやすいです。

動きのあることばだけではなく、大きいー小さい、長いー短いなど(形容詞)も“大きい“という1つの要素より、“大きい”“小さい”のような2つの要素が比較される形で示した方が理解しやすいです。

絵カードの使い方が難しい

絵カードを見て楽しむ子ども、絵カードよりミニチュアで楽しむ子どもなど絵カードの興味の幅は千差万別です。絵カードを好む場合でも1人遊びになることことばを育む学習ではない場合も考えられます。
大人側でも「絵カードを使ってみたけど、やり方がわからない」と疑問に感じる人も多いかと思います。
そのため、子どもや大人が絵カードを上手に使えるよう少ない枚数で楽しむことをおすすめします。
その理由は少ない枚数で遊ぶことで1枚のカードに対して注意を向けることができます。大量の絵カードで遊ぶと刺激が多すぎて、眺めることだけでなく絵カードを広げることに夢中になりやりとりが疎かになることも考えられるからです。
より詳細の絵カードの使い方についてはことばを育む絵カードの使い方で紹介しています。
このように絵カードはことばの指導の中では必需品と言っても過言ではないですが、メリットデメリット双方を意識して使うことが非常に重要です。

まとめ

ことばの指導は言語聴覚士だけでなく保育士や学校の先生も実施することがあり、指導場面においては絵カードを使うことが多いです。絵カードが得意な子ども、そうでない子ども、さらには大人側にも得意不得意があると思います。絵カードを使うことはことばを育むための一つの手段であるため、絵カードの枚数を増減することや絵カードでなく実物を使うことや、文字やジェスチャーなど伝わりやすい方法を適宜使いながら指導を進めることが1番です。
絵カードは家でも園でも学校でも使える魅力的な教材であるため、これらを用いてことばのやりとりを楽しんでいきましょう。

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