就学前の子どもがひらがなを読み始めるタイミングは、保護者や保育者にとってとても気になるところでしょう。子どもはいつ頃から文字に興味を持ち、どうやって読み始めるのでしょうか。
一般的には子どもがひらがなに関心を示し始めるのは4歳前後と言われています。
もちろん興味を持つ時期や習得のペースには個人差があり、早い子もいればゆっくりな子もいます。
本記事では、子どもがひらがなを読み始める兆候や発達ステップ、家庭や園でできる自然な関わり方を解説します。
文字を読む基礎となる視覚認知や音韻意識にも触れつつ、お子さんの「読む」力が育つ過程について少しでもお伝えできたらとおもいます。
読み始めの兆候

子どもが文字への興味を持ち始めたサインとして、次のような行動が見られます。
■街中の看板や本の表紙の文字を指差して「これ何て書いてあるの?」と聞いてくるようになる。
■絵本を読んでもらうときに、絵だけでなく文章中の文字にも目を向け始める。
■テレビ画面に映る文字(字幕など)に注目する。
■文字の書かれたおもちゃ(アルファベット表や数字カード等)に関心を示す。
■お気に入りの絵本を広げて、知っている物語をまるで読んでいるかのように語り始める。
このような兆候が見られたら、文字に対する関心が芽生え始めた証かもしれません。
一文字読みから単語認識へのステップ

ひらがなを読む力は一朝一夕には身につかず、段階を追って発達していきます。
一般的には次のような流れで読みの力が伸びていきます。
■文字の発見(興味をもつきっかけ)
一文字のひらがなは読めないけど、そこに何らかの意味があるということを知る段階です。自分の名前などは気が付きやすく、他には動物の名前や身近にあるひらがなを見て、文字そのものに対して興味を持ち始めていきますが、ひらがなと、その意味はまだ結びついていません。
■一文字読み(1字ずつ読む段階
まずはひらがなの音と形を一つずつ結びつけていく段階です。例えば「あ」という文字を見て「あ」と発音できるようになります。
この時期の「読める」とは、一文字ずつ声に出せる状態を指します。
■単語読み(文字をつなげて読む段階)
一文字読みができるようになると、複数の文字を続けて読めるようになります。
4歳頃になると、自分の名前や「いぬ」「ねこ」など身近な単語を読める子が増えてきます。最初は一字一字ゆっくり読んでいても、だんだん音を滑らかにつなげて単語として認識できるようになります。
■文章読み(短い文を読む段階)
年長児(5~6歳)になると、平仮名だけで書かれた簡単な文章なら読める子どもも多くなります。
もちろん、長い文章や漢字交じりの文をすらすら読むのは小学校に入ってからですが、就学前でも短い文の読みが始まる子がいるのです。
※以上はあくまで目安で、習得の時期は子どもによって様々です。大切なのは無理なく楽しみながら一歩ずつ「読めた!」という自信を積み重ねていくことです。
読みの基礎にある視覚認知と音韻意識

ひらがなを習得するには、「見る力」と「聞く力」の両方の発達が土台となります。
まず視覚認知の面では、文字の形を正しく見分ける力が重要です。視覚の発達が進み、2歳半頃からは図形の違いがわかるようになり、ひらがなを「文字」として認識し始めます。
幼児が鏡文字(左右反転した文字)を書いてしまったり、似た字を混同したりすることがありますが、これはよくあることで心配いりません。遊びや日常生活で文字に触れる中で、少しずつ形の違いを捉える力が育まれていきます。
次に音韻意識(おんいんいしき)の面では、言葉の音に気づく力が鍵を握ります。
4歳頃になると、言葉を構成する音を分解して認識できる能力、いわゆる音韻意識が発達してきます。
例えば「りんご」という言葉を「り・ん・ご」の音に分けられる理解がそれにあたります。
音韻意識が育つことで、ひとつひとつのひらがなを正しく音に対応させて読むことが可能になります。また、この音韻意識は3歳頃から芽生え始め、小学校1年生くらいまで発達を続けると言われています。
家庭や園での自然な関わり方

読み始めの時期には、家庭や保育の場で無理なく文字に親しめる環境づくりが大切です。以下のような関わり方が効果的でしょう。
■絵本の読み聞かせ
親子のふれあいを兼ねて、できる範囲で毎日絵本の読み聞かせをしましょう。
特に大人と子どもが1対1で向き合って読む時間は、子どもの集中力が高まり、文字やお話への興味を引き出しやすいと言われます。
読み聞かせの途中で「この字、見たことあるね」と文字に注目させてみるのも良い刺激です。
■ことば遊び
遊びの中で言葉の音に親しめば、文字への興味も自然と育ちます。
例えばしりとり遊びやひらがなカルタ取りなどは、楽しみながら言葉の音や文字に触れるのに役立ちます。
歌に合わせて五十音を読む、リズムに乗せて文字を探すゲームなど、工夫次第でいろいろな言葉遊びができます。
■日常生活で文字に触れる
身近な環境にも学びのチャンスがいっぱいです。散歩中に看板を指さして「あそこに○○って書いてあるね」と話しかけたり、スーパーで商品パッケージを見て「○○ちゃんの名前と同じだね」と教えたりするだけでも、日常の中で文字に意識を向ける習慣がつきます。
■無理をせず楽しい雰囲気で
焦ってドリル漬けにしたり、できないことを叱ったりすると、子どもは文字嫌いになってしまうかもしれません。
幼児期はまず文字への興味づけを優先し、挑戦したことは結果に関係なくたくさん褒めてあげましょう。ポジティブな声かけで「できた!」という達成感を積み重ねることで、子どもの学ぶ意欲が伸びていきます。
まとめ
ひらがなを読み始める時期やスピードには個人差がありますが、多くの子どもは就学前の数年間で少しずつ文字への関心を深め、読みの力を育んでいきます。
仮に習得がゆっくりでも、小学校入学した文字学習は始まっていきます。
大切なのは、焦らず子どものペースに寄り添い、「読めた!」「わかった!」という喜びをたくさん感じてもらうことです。
文字が読めるようになると自分で絵本を読む楽しみも広がります。
おうちでも園でも、温かく見守りながら遊びや会話を通じてひらがなに触れる機会を楽しんでください。

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