「しりとり」や「鏡文字」がサイン?就学前に知っておきたい「読み書きの土台」の育て方

「小学校入学を控えて、文字の読み書きがスムーズにいくか不安……」 「何度教えても鏡文字になってしまうけどどうしたらいいの?」

お子さんの成長を見守る中で、こうした不安を感じることはありませんか?

実は、読み書きを習得するには、ただひらがなを覚えるだけでなく、その土台となる「2つの力」がとても重要です。

今回は、その2つの力と家庭や保育現場ですぐに実践できる具体的な支援アイデアを詳しく解説します。

読み書きのエンジンとなる「2つの力」

ひらがな読み書きのエンジンとなる2つの力

読み書きは、脳の様々な機能を連動させながら学習が進めらえています。特に重要なのが以下の2つの力です。

① 音韻意識(おんいんいしき):耳の力

言葉を「り・ん・ご」のように、音の粒(モーラ)に分解したり、つなげたりする力です。

これが弱いと、「い・ぬ」という音と「いぬ」という概念が結びつかず、文字を読んでも意味が入ってこなくなります。

②視覚認知(しかくにんち):目の力

形を正しく認識し、空間の中での位置関係(右か左か、上か下か)を把握する力です。

「わ」と「ね」の違い、文字のバランス、行を正しく追う力などはすべてこの視覚認知が支えています。

おうちで気づける「SOS」のサイン

日頃の遊びや会話の中でも、これら2つの能力を見ることができます。

音韻意識のサイン

しりとりが続かない:4〜5歳になっても3回以上続かなかったり、「ねこ→こねこ」のように音を重ねてしまう。

言葉の入れ替わり:「レストラン」を「レトスラン」、「とうもろこし」を「とうもころし」と言い間違える。

音の抜き出しが苦手:「『すいか』から『い』を取ったら何?」というクイズに答えられない。

視覚認知のサイン

鏡文字が頻繁:年長さんになっても「さ」や「2」を左右逆転して書く。

読み飛ばし・行飛ばし:本を読んでいる時、一行飛ばしたり、同じ行を二度読んだりする。

図形やパズルの苦手さ:簡単なパズルでピースの向きを合わせるのにひどく戸惑う。

視覚的な疲れ:「文字がぼやける」「黒い塊に見える」と訴える、あるいは眩しがる(視覚過敏の可能性)。

今日からできる!遊びながら育てる支援法

特別な教材がなくても、日常の中に「育ちのヒント」はたくさんあります。

音の粒を感じる遊び(音韻意識)

拍手すごろく:サイコロの代わりに、引いたカードの絵(例:キリン)の音の数だけ進む(キ・リ・ンで3歩)。

頭韻・尾韻遊び:「『あ』で始まるものなーんだ?」や、「『ん』で終わるもの探し」など。

リズム替え歌:好きな歌の歌詞を「あ」だけで歌う(例:かえるの歌を「ああああああああ〜」)など、音を意識して声を出す遊び。

目と手の協応を育てる遊び(視覚認知)

多感覚なぞり書き

砂文字:公園の砂場やトレイに入れた塩の上で指で文字を書く。

背中文字:子どもの背中に指で文字を書き、「何て書いた?」と当てる。

■ビジョントレーニング

迷路・間違い探し:視線をスムーズに動かす練習になります。

キャッチボール:動くものを目で追う力を育てます。

環境の工夫

スリット(しおり)を使う:読む行以外を隠すことで、読み飛ばしを防ぎます。

カラー定規(リーディングトラッカー):色のついた透明な板を重ねることで、眩しさを抑え文字を浮き立たせます。

2つの力を意識した支援の重要性

「単なる練習不足」と決めつけず、早期に特性に合わせた支援を行うことで、就学後の学習意欲の低下や、二次的な自己肯定感の低下を防げることがわかっています。

小さなサインに気づけたことは、お子さんに合った「学びのスタイル」を見つけるための第一歩です。

おわりに

読み書きの習得は、マラソンのようなものです。最初から全力で走る必要はありません。まずは「ことばの耳」と「見る目」を遊びの中でゆっくりと身に付けていきましょう。

もし不安が続く場合は、地域の医療機関へいってご相談をしてみてください。

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