ひらがな練習の進め方-ステップ別の解説と無料プリント



私たちの周りにはひらがなや漢字が当たり前のように使われますが、ひらがなは文字学習の中でも特に早期に学習します。

そこで今回はひらがな練習における進め方のポイントと無料教材についてご紹介していきます。

コトノハ教材庫に他にも豊富な教材を揃えています。

ひらがなの教え方【重要なポイント】

まず始めにひらがな学習で一番知ってほしいことがあります。

ひらがなは『始めから書かせてはいけない』ということです。

読むことから始めましょう

ひらがな練習としてなぞり書きから始めることも多いですが、それはひらがなを読めるようになったお子さんが行う学習です。(運筆練習は除きます)

ひらがなを読めない状態で始めから書かせて練習することはお子さんへの負担が大きくなります。

そのためひらがな練習を進める時はひらがなをどのくらい読めているか確認しながら進めていきましょう。

ひらがなを読むステップ

ではさっそく、ひらがなを読むステップのお話です(詳細はひらがなを読み書きするという考えについてを参照ください)。

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ひらがなを読むという流れは①文字を見る②文字を音にする③ひらがなを読む となります。

①文字を見る(文字認識)
②文字を音にする(変換)
③ひらがなを読む

※イメージをしなくても読むことはできますが、ひらがな学習が進むにつれイメージするということが重要になってきます。

ひらがなを読む練習【無料プリント】

ひらがなを読めるようになるためには文字認識(文字を見る)、文字を音に変換ひらがなを読むという流れが必要です。それらのステップに合わせたプリントや学習方法を紹介します。

①文字認識の学習

文字を見るということは文字認識をすること。

文字認識の学習は同じ文字同士を線で結ぶという学習があります。

読めるようになるためには文字を形として認識出来る必要がありますが、始めから丸や四角等の図形と同じ形を見つけるということも文字認識の学習に繋がります。

同じ形を線で結ぼう

文字カードマッチング

ひらがなを探す場合は文字カードを用いて指差しで選択してもらう学習も行うことが可能です。

文字を認識するということは同じものであるという見極めが必要となります。

それはマッチング学習として度々用いられてきます。
マッチングの詳細については「ことばを伸ばす絵カードマッチング」で解説しています。

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②文字を音に変換(デコーディング)の学習

音に変換するためには音韻意識の力が大いに関与します。

音韻意識とはことばを音単位で考えることが出来る能力です。

例えば、「りんご」ということばはいくつの音から出来ているか(正解は3つ)。「ご」という音は「りんご」ということばのどこにあるのか(正解は最後)。 
このようなやりとりだけでなくプリント学習として『いくつの音』プリントも用意しました。

音韻意識プリント

聞こえた音はどこにある

この音なんの音

音遊び・言葉遊び

上記のプリントの他、音韻意識を身に付ける遊びとしてしりとり遊びたぬき遊び思い出し遊び等があります。

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しりとり遊び→目標とする音の付く言葉を答える必要があり、相手の答えた言葉の最後の文字(音)を認識する必要が身に付きます
たぬき遊び→指定された言葉のある音を抜くという難しい遊び。言葉の音を操作する力が身に付きます
思い出し遊び→目標とする音の言葉を多く見つけるという遊び。音を操作する力だけだなく、言葉の数の習得にも繋がります

音の数の違いで選ぶ

どっちの音の数?

③ひらがなを読む

ここからは実際に読むという力を学習するについてですが、ひらがなにはルールがあります。

文字を音に変換(デコーディング)にも関連しますが、ひらがなは1文字=1音対応というルールが非常に大切です。
※例外は「は」「へ」2つの音があります。

例えば、”りんご”のひらがなは3文字であり「りんご」という音は3音です。

ひらがな学習において、絵を見て正しい文字を選択する課題や線を結ぶプリントを使用することもありますが、文字を完全に読めなくても文字数の違いを手掛かりとして問題を解くことができます。

そのため今回は文字数(音)の違いによってひらがなを読むことを目指すプリントを中心に紹介します。
数の概念が必要不可欠です。

どっちのことば?

言葉の音を理解できるようになったら、「言葉によって音の数が違う」ことを手掛かりにして学習を進めていきます。

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音の数の違いから選択が可能であれば、文字と音のマッチングを進めながら読字数を増やしていきましょう。

どっちのことば?

音と文字のマッチング

文字カード使って、言った文字カードを選んでもらいます。
文字数の違う選択肢から始めると簡単に取り組めます。

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ひらがなことばカード1集

ひらがなことばカード1集

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絵と文字のマッチング

文字数の違いに気が付けたり、ひらがなを少しずつ読めるようになってきたら絵とひらがなを結ぶ学習進めていきましょう。

絵とひらがなを結ぼう

④イメージする

ひらがなを読むステップの中に実は「イメージする」があります。これは”りんご”という文字を見て果物のりんごであることを理解していくことが当てはまります。このイメージするという力を身に付けることによって文字の意味を理解することや文章を読み解くことできるようになってきます。

文字を1文字ずつ読めるようになってきたけど、単語や文章を読む際1文字ずつ区切りながら読んでしまう(逐次読み)という悩みも耳にしますがそのような場合もイメージすることに対して苦手さを感じます。

これは文字→音への変換を素早く行うこと(自動化能力)を苦手とします。

それを身に付けるために図形や絵、文字などがランダムに並んだプリントを素早く読み進めるという学習もあります。

隠れていることばを見つけよう

連なったひらがなの中から単語を見つけ出す学習により、文字→音→イメージという繋がりを学ぶことも出来ます。

隠れていることばを見つけよう

ひらがなを書くステップ

ひらがなを読めるようになったら書く学習へと進めていきます。その「ひらがなを書く」というステップ下記のようになっています。

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ひらがなを書く流れとして①聞くor見る ②音を文字にする ③形を思い出す ④ひらがなを書く となっています。

①聞く・見る
②音を文字にする(変換)
③形を思い出す
④ひらがなを書く


このような流れがひらがなを書くことに必要ですが、ひらがな練習はなぞり書きだけでは不十分です。

なぞり書き→見ながら書く→見ないで書く(形を思い出す)。このように進める必要があります。

音を文字に変換することは「ひらがなを読む」に出てきた音を意識することと同じことです。

そのためひらがなを読むことができる=音を意識することが可能ということです。

よってここでは“ひらがなを書く”ということに焦点を当てます。

ひらがなを書く練習【無料プリント】

形を捉える

ひらがなを書くことは頭に浮かぶ、形や音を表現することになります。そのためひらがなだけでなく、思い出して描くという教材についても紹介します。

なにをイメージする

ひらがなを書く 1文字

形を書こう

形を書こう

他にもビジョントレーニング教材にて形を表現する教材を用意しています。

ひらがなを書く

ひらがなを書く(1文字)

ひらがなの中にも難易度があり”い””し”のような文字の方が簡単に書けます。

逆に”あ”のように斜め線が多いひらがなは難しいです。

50音表の順番を理解していればリズムとして唱えながら書くという練習も面白いです。

見本となる文字がすぐに左側にあることによって(右利きの場合)見本の文字が隠れることなく見ることが出来ます。

ひらがなを書く(単語)

単語の名前を書くものです。

始めはなぞり書きから始めていきましょう。

ひらがなを書こう

ひらがな学習のお勧め教材

ひらがな積み木

ひらがなの導入としてお勧めなのはひらがな積み木です。表面には絵柄がありその裏には言葉の始めの文字が書かれています。ドミノのように倒して遊んだり上に高く積んでみたり、積み木で家を作ってみたり。積み木遊びとしても有効的に使う事が出来ます。積み木遊びの中で積み木に絵や文字が書かれていることに気が付くかもしれません。その時は「犬の「い」」のように絵柄を見せた後に裏返して文字を見せてあげましょう。文字チップとしても使う事が出来、文字を並べ替えて単語や自分の名前を作ってくれるかもしれません。

トレーニングワーク

ひらがなの土台となる基礎トレーニングワークです。本記事のひらがなを読むで説明した音を操作する力(音韻意識)に関する学習がたくさん含まれているワークです。ひらがなワークとなると運筆やひらがななぞり書きを中心とした物が多いですが、このワークではその前段階ひらがな学習の土台部分がたくさんああります。

読み書きが苦手な子どもへの“基礎”トレーニングワーク (通常の学級でやさしい学び支援)

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村井 敏宏, 中尾 和人
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読み書き指導ことはじめ

読み書き指導ことはじめは自宅でも簡単に作れる絵カードやひらがなカードがあり、それらを使って学習を進める方法も書かれています。読み書きに限らず、類似した方法でことばを促す学習として度々使われることが多いです。文字学習は見る力も必要であり、チップを同じ場所に置く学習や線なぞりのように図形を捉えて書く学習方法をわかりやすく書かれています。

発達が気になる子への読み書き指導ことはじめ

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鴨下賢一
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まとめ

ひらがなが書けないお子さんの半数以上が読むことに対して苦手意識があります。

そのため、まずは書くことよりも読む練習から始めてみましょう。

特に音を意識すること

プリントが無くても手を叩いて物の名前の数を意識する練習もできます。

ひらがな学習には個人差があるため、まずはお子さんのペースに合わせながら楽しく学習に取り組んでみてください。

文字に興味を示し始める4歳以降のことばの発達は「ことばの発達【4歳・5歳・6歳】」で詳細を説明しています。

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