知能ってなに?IQや知能検査などで言われる知能【CHC理論から考える知能】



知能ということばは頭の良さを示すものとして耳にすることがが多いかもしれません。関連することばとして知能検査やIQ(知能指数)としても示されることが多いです。

IQは数値が高いほど学力があるとも言われることもありますが、数値が高ければ生活上問題ないという訳でもありません。

今回はそのような知能についてのお話。

知能の種類

知能ということばはたくさんの学者の人たちが研究してきました。

その数多くある研究の中にCHC理論という考えがあります。

今使われている知能検査はこのCHC理論の考えで説明することが出来るので今回はこのCHC理論に沿ってお話をしていきます。(CHC理論はCattel,Horn,Carollという3人の先生が研究しました。)

知能の種類は大まかに10個に分かれています。(この10個がさらに細かく分かれていきます)

その10個とは

流動性知能(Gf)
結晶性知能(Gc)
認知的処理速度(Gs)
視空間能力(Gv)
短期記憶(Gsm)
長期貯蔵と検索(Glr)
聴覚的処理(Ga)
決断/反応速度(Gt)
量的知識(Gq)
読み書き能力(Grw)

となっています。

聞き慣れないことばがズラリと並んでいるかもしれませんが、少しだけお話します。

流動性知能(Gf)

初めて経験する課題であっても、今までの知識や経験を使って考え抜く力

結晶性知能(Gc)

一般知識がこれに当たります。一般常識や学生の頃に勉強した歴史などがこれに当てはまります

認知的処理速度(Gs)

単純的な作業を素早く行うこと。例えばひたすら文字を書いていくなど。

視空間能力(Gv)

立体物や地図(ルート)などをイメージしたり、イメージした情報を考える力(違うルートで行ったらこの順番かなど)

短期記憶(Gsm)

ワーキングメモリーということばを聞いたことがないでしょうか。このワーキングメモリーというものがここに当てはまります。言われたことばを数秒覚えておくことや、覚えたことばを操作することなどが当てはまります。ことば遊びの“たぬき遊び”なんかはこれに当てはまります。

長期貯蔵と検索(Glr)(学習効率(Gl)と検索の流暢性(Gr))

学習効率→新しい学習を頭の中で時間をかけながら覚えておくこと
検索の流暢性→覚えている学習を素早く思い出す

Glにある情報を素早く検索するために必要なことがGr

聴覚的処理(Ga)

聞いた声を聞き分けたり覚えておく力。声(ことば)を聞いて覚えておいたり、声に出そうと頭に考える力など

決断/反応速度(Gt)

答えを選ぶ際に素早く選べる力

量的知識(Gq)

算数など数字、特に計算をすることに必要な力

読み書き能力(Grw)

ことばの読み書き

これらの10個の能力があるとされています。国内で使われる知能検査1つだけでこれら全てを把握できるものはなく、複数のアセスメントツールを組み合わせますが、子どもに複数のものを実施するとなると負担が多いため本当に必要な情報なのかどうか見極める必要がありそうですね。

知能に関連してコグトレという認知機能に注目した教材が使われることが増えてきた印象です。検査を実施しなくても学習状況から苦手、今後必要としているものを把握しコグトレ等の教材を使ってトレーニングを進めることも出来ますがCHC理論とは異なる場所もあるかもしれません。

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知能検査の知能

今は知能検査をしてくれる場所は医療機関や福祉施設など多岐にわたって検査が行われています。

上であげた10個の能力を全て網羅しているわけではありませんが、いずれかの能力の得意不得意を知ることができます。

例えば積み木やパズルなんかを使った課題では視空間能力を求めているのかもしれませんね。

1つの検査では全ての能力をみることができないので、複数の検査を組み合わせながら知能の全体像を把握するということも海外では行われています。

もし知能検査を受けたことのある方がいたら、自分自身(またはお子さん)がどのような能力が得意不得意となっているのか、上の10個の能力と照らし合わせながら確認してみると良いかもしれません。

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