言語聴覚士が伝える舌の運動をする目的

こんにちはコトノハ教室です。

ことばの発達を促す練習として「舌を動かしましょう」と聞いたことがあるかと思います。

子どもに関わる先生たちも「たくさん舌を動かしましょう」とお伝えする場面を多く見てきました。

「アイスをたくさん舐めましょう」「笛を吹きましょう」等も良く聞きます。
果たしてそれらの目的はなんでしょうか。

そこで今回は舌の運動をすることで、どのようなことばの発達を促せるかお話します。

舌の運動の本当の意味

ことばは見たり聞いたりしてことばを覚えていきます(理解する)。

ことばをたくさん覚えていくと、声に出してお話しを出来るようになります。

この声に出す時に必要なものが舌の動きです。

ことばの発達を促すために、舌の運動をするということは

発音に大きく関わっている

ということ。

舌の運動はことばの数を増やすというより、滑舌・発音の改善を目的としています。

もちろん舌を動かすことによって声を出す頻度は高まるかもしれませんが、ことばの数そのものを増やすには言葉かけを工夫する必要があるかもしれません。

舌の動かし方

では舌の運動はどのような動かし方が良いでしょうか。

ここでは大まかに3つの舌の運動を紹介します。

・舌先を動かす
・舌の力を抜く
・舌先を上に挙げる

舌先を動かす

舌の運動と聞くとこの【舌先を動かす】ということをイメージするかもしれません。

キャンディーやアイスクリームを舐める動きもこれに近いのかなと思います。

この動きの目的として
「上唇を舐めて」「右口角を舐めて」等のように言われた場所を意図的に動かせること
→別の舌の運動の練習をする際に、近い舌の動きが出せるようにしていきます。

舌の力を抜く

舌の力を抜くということは馴染みのない表現かもしれません。

この動きは主にさ行に必要とされる動きとなっています。

舌に力が入っている状態ではさ行がた行や“ちゃ”のような音になってしまうことが多いです。

舌を唇よりも前に出すと力の入り加減が分かりやすく、力が入っていると舌先が尖っている形になります。一方、力が入っていない状態では舌が平らな状態になっています。平らな状態で出し続けることが出来ると舌の力が抜けている状態であるかと思います。

馴染みのない舌の動きかもしれませんが、舌の力を抜くという動きは大切なことです。

舌先を上に挙げる

舌先を上に挙げる動きというのはた行の他にさ行ら行などの音で使われています。
これらの音は全て口の中で行われています。
「お口の天井」という言い方をします。しかし、子どもにとって「お口の天井」という表現は伝わりにくいです。

そのため、舌先を上に挙げる練習の際は上唇に舌先を当ててもらうことから始めます。
徐々に上唇に→上前歯→上前歯の(後)歯茎の順番で当ててもらうことが多いです。

他にも舌の動きに関わる練習方法はありますが、よく使う舌の運動を紹介致しました。

まとめ

舌の運動は滑舌や発音の部分に大きく関わってきます。

発音で難しいと言われているさ行では5歳以降に獲得するとされています。

そのため、5歳未満の子どもがさ行を言えなくてもすぐに練習を始めなくても構いません。

発音の練習は音を操作する力(「りんご」の「ご」は①②③のどこにある?正解は③)も必要になってきます。

この獲得も5歳頃。そのため、獲得する年齢になって音の操作もある程度出来る様になったら発音の練習を始めていきます。

幼児期の内は発音よりもことばの数やことばの使い方の習得がとても大切です。

もし言い間違い等があっても発話する意欲を傷つけないように正しい音を聞かせてあげたり、「◯と同じ音だね」と伝える関わりでも良いかもしれません。

年長さんや小学校入学しても発音が気になるようであれば、これらの舌の運動の練習をしてみてはどうでしょうか。

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