こんにちはコトノハ教室です。
ミニマルペアは最小対立と言われることばです。
ことばは1文字ずつ組み合わされて意味のあることばとして理解されます。
例えば「すいか」ということばは「す」「い」「か」と異なる3つの音で成り立っています。
実際にはこの一つずつの音を細かく分けて考えて発音練習をすることが多いです。
今回はこのミニマルペアということばがどのように発音練習で活かされているかお話します。
音素ということば
音響用語辞典の音素の定義
ひとつの言語において、言葉の意味の区別を示すのに用いられる単位
音を区別するための最小単位を音素と言います。
音素は①音素母音②音素子音③半母音④特殊音素に分かれます。
①音素母音→/a,i,u,e,o/
②音素子音→/p,b,t,d,k,g,s,z,h,m,n,r/
③半母音→/y,w/
④特殊音素→/N,Q,H/
例えば「すいか」ということば
「すいか」ということばは/suika/と書きます。
よって「すいか」は5つの音素から成り立っているということがわかると思います。
この音素ということばがミニマルペアに繋がっていきます。
ミニマルペアとは
一箇所の音素が異なることばのペアのことを言います。
例えば
鹿(しか)と下(した)
これを音素表記にすると/sika/と/sita/
鹿と下は音素表記のk,tが違うだけで他は全く同じ音速です。このように一箇所の音素が異なることばのペアをミニマルペアといいます。
他には
木(き) と火(ひ) →/ki/と/hi/
亀(かめ)と豆(まめ)→/kame/と/mame/
雨(あめ)と汗(あせ)→/ame/と/ase/
など。
子どもにとってわかりやすいことばを挙げましたが、難しいことばも挙げるとたくさんあります。
なぜミニマルペアが発音練習にいい?
音素やミニマルペアなどのお話をしましたが、なぜこの話が発音練習に結びつくのでしょうか?
発音の練習は、口を動かしたり声を出すだけではありません。
私たちが会話するときは①相手の話を耳から聞く②聞いた話を頭で考える③相手に話を伝えるという流れがあります。
音素やミニマルペアということばは②聞いた話を頭で考えるという流れで重要です。特にことばを聞き分ける語音弁別という発音の練習に必要な部分で最も効果を発揮します。
発音の練習をするときに重要なポイントとして
自分の発音が間違っていると自覚をすること
例えば
「き(木)」ということばを「ひ」と言ってしまう場合。
このように選択肢を与えながら聞き分ける練習をしていきましょう。木の絵を見て「ひ」と発音してしまっても、「き」ですか?「ひ」ですか?と聞いてあげ「き」と正しい答えを言えるのであれば弁別が出来ています。弁別が出来ていたら、自分の発音が違うと自覚ができるのでより正しい発音に近づけようと意識を変えることができます。
語音弁別の練習として「木」と「火」の絵を見せて「き」と言ったら木を選んでもらうことや、片方は正しい発音・もう片方は間違った発音で正しい、正しくないかを答える練習もあります。
例では1文字のことばでお話をしましたが、2文字〜のミニマルペアを見つけて語音弁別の練習をしていくとより良いかと思います。
コトノハ教材のひらがなを読む(音の学習)でも語音弁別の学習が可能です。
まとめ
発音練習といえば口を動かしたり、声を発したり。
しかし発音練習にはことばを聞き分ける語音弁別の能力も必要不可欠です。この語音弁別は見落とされがちですが、とても重要なポイントです。そして、その考えとしてミニマルペアということばがあるので今回はこの部分についてお話をさせていただきました。少しでもこのことばについて理解していただけたら嬉しいです。