巡回相談のポイントや意識していることの本音を語る

こんにちはコトノハ教室です。

前記事の巡回相談の続きとして今回は巡回相談員として訪問した時のことについて。

私は市町村の巡回相談員や保育所等訪問支援事業所に属して巡回している訳でなく保護者から直接「園(学校)での様子を見てきてほしい」という依頼で行っています。

そんな私が巡回相談で見ているポイントや意識していることの本音をお話ししていきます。

巡回相談員が見ているポイント

巡回相談員としての共通するアセスメントなども決まっている訳ではありません。
巡回相談員によって見ているポイントは異なりますが、私の視点からのポイントをお話ししていきます。

ポイント

部屋の作り
先生の配置、働き
先生の説明
集団での動き

部屋の作り

  • 机に何人が座っているか
  • 先生との距離感
  • 子どもにとっての周囲の刺激量
  • 他の学年の子どもと一緒の空間(教室)で活動していたら、1つのクラスで2つ以上の活動が行われることがあるため注意が他スペースへ逸れないか等

子どもが集中できる環境で過ごせるか注目しています。

先生の配置、働き

実際は1人担任の場合でも補助の先生もいるため先生2人以上のクラスが多い。
巡回相談は普段のありままの生活場面を観たいのですが、園の先生からすると「良い場面を見せよう」と先生の配置を普段よりも手厚くする傾向にある様子です(保育所等訪問支援は特に)。そのため、見学させてもらう時(巡回日)は先生3人だが本来の人数(先生1〜2人)になった時、活動の質が保たれるのかをみています。もちろん場所によっては「先生1〜2人でこのような現状です」と現状のまま見学させてもらうこともあります。

国が定める保育士の配置基準は(自治体によって異なります)
0歳:子ども3人に対して保育士1人
1,2歳:子ども6人に対して保育士1人
3歳児:子ども20人に対し保育士1人
4歳以上:子ども30人に対し保育士1人
※常時2人以上は必要
国が定める幼稚園教諭の配置基準
1学年の用事数は、35人以下を原則とし、各学級に専任の教諭等を1人置かなければならない

先生の説明

子どもたちにどのように教えるか。
例えばお絵描き制作。
最初に完成品の見本の提示の有無(自由表現として提示しない活動もあります)。
最初に「紙にお母さんお父さんを描いてください」と言っても「全身だ。顔だけか」等迷う子どもたちが多いです。制作の活動以外でも先生間で共通した説明が出来ているか。

集団でも動き

お友達と共有した場所で活動が出来るか。同じ動きを取ることができるか。
活動の流れをお友達と一緒に行えるか。
お友達を意識した行動の有無を重要視しています。

巡回相談で使用する行動観察シート

巡回相談へ行くときに使用するシートを紹介します。

画像1

こちらの用紙に子どもの様子を記入しています。
時間軸に沿って活動や子どもの様子を確認することが出来るの私はこの形で記録しています。

行動観察シートDL

巡回相談で意識していること

・固い姿勢で行かない。
→園や学校は子どもが中心なため、子どもたちが緊張しない様に柔らかい姿勢でいる。

・先生たちに説明するときは専門用語を多用しない。
→専門家あるあるですが、どうしても難しい言葉を使いがちです。なるべく噛み砕いて伝える。

・園や学校で出来る工夫を考える

・園や学校で大きな負担がかからない様な助言を伝える

巡回相談での本音

嫌なこと

巡回日となると普段よりも先生の数が多いことや子どもとの接し方が大幅に変わっていた時です。
子どもたちは普段と違うことに気が付きます。子どもの方から「今日はいつもと違うね」と言うことも耳にします。
巡回相談は普段の環境での子どもたちの様子を把握したいため、このように普段と違った環境では意図が変わってきます。

嬉しいこと

言ったことについてすぐに実践する。中には実践してその結果を追って教えてくれる場所もありました。
本来は経過観察のため定期的に赴く必要があるのですが、それが困難なこともあります。
そのような中「◯した結果〜こうなりました」「◯したのですが〜難しいです」など実践してくれたことを伝えてくれると園や学校、保護者が共通意識で良い支援に結びつくと感じています。

まとめ

巡回相談員として訪問した時のお話をさせてもらいました。あくまで私の意見なので、市町村や保育所等訪問支援事業所の巡回相談員の方とは違った捉え方をしているかもしれません。

巡回相談は未だ知名度は低いですが、少しずつ巡回相談のことが広がっていけたら嬉しく思います。

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