象徴という単語が使われることばに『鳩は平和の象徴』があります。これは「鳩がオリーブを咥えて平和を知らせてくれた」という言い伝えがあるとかないとか。
象徴機能の象徴もこれと同じ意味として扱われます
象徴機能はことばの発達において重要なことです。
象徴機能の内容は当たり前の様に感じることかもしれませんが、文面化する難しさを感じた内容です。それに加えて子どもたちの遊びについて触れています。
象徴機能とは
象徴機能は実際の物や出来事などを他の手段で表現する機能を言います。
例えば、四足歩行の「ワンワン」と鳴く動物はなんだと思いますか?
半数以上の人が「いぬ」と答えると思います。
この【四足歩行の「ワンワン」と鳴く動物】という実際の物(動物)が【「いぬ」】という音声によって表現しています。
このように他の手段で表現できていれば象徴機能が確立されていると言えます。(表現の仕方等を長い年月をかけて習得していきます。)
音声言語以外の象徴機能
他の手段と言うの多岐に渡りますが、代表的なものとして『ことば』があります。
世間一般の『ことば』と聞くとは実際に声で発すること(=音声言語)を想定するのではないでしょうか。
しかしコミュニケーションにおいては音声言語は一つのツールでしかありません。私たちがことばの通じない国で道を尋ねる時どうするでしょうか。恐らく地図を広げたり、ジェスチャーを交わしながら道を尋ねます。昨今ではスマートフォンが普及しているため、電子機器を活用することもあるかもしれません。
このように音声言語以外にもコミュニケーション方法はたくさんあり、それらが象徴機能の現れでもあります。(発達支援ではジェスチャーや写真、絵カード、文字を用いてコミュニケーションを図ることが多いです。)
遊びの段階
遊びの段階としての紹介のみで留めます。
バーテンの遊びの分類
アメリカの発達心理学者であるバーテンは遊びを6つに分類しました。
何もしない行動
0ヶ月から3ヶ月
何もせず動いているものに目を向ける
ひとり遊び
0ヶ月から2歳
他者と関わろうとすることなく1人で遊ぶ
傍観遊び
2歳から3歳
他者の遊ぶを傍観するも1人で遊ぶ
平行遊び
2歳から3歳
他者と同じ遊びをするが他者とは関わらない
連合遊び
3歳から4歳
他者とやりとりを交えるが役割分担はない
共同遊び
4歳以上
他者と役割分担しながらルールの遊びをする
JASPERの遊びの水準(参考図書:The JASPER Model for Children with Autism 英語版)
◯単純遊び
・ものを取り出す、入れる
◯組み合わせ遊び
・型はめ ブロックをはめる、積む
◯前象徴機能遊び
・おままごとの果物を食べようとする
・ぬいぐるみに食べさせようとする(果物を操作してぬいぐるみに食べさせる)
・ブロックで家、乗り物を作る
◯象徴機能遊び
・ぬいぐるみを生きている様に操作する(ぬいぐるみを操作して果物を食べる)
・積み木を食べ物に見立てる
名前に書いてある通り象徴機能を意識した遊びが発達過程において重要視されているのがわかります。
しかし遊びにも順序があるため、その順序を飛び級して象徴機能遊びを促しても子どもにとっては【楽しい】遊びでは無くなります。
そのため順序を追いつつも今出来ている遊びの幅も広げながら遊びに参加すると言うことが重要です。
まとめ
象徴機能というのは難しく遊び場面でも重要視されます。遊び場面において積み木を食べ物に見立てて遊ぶということも象徴機能です。象徴機能にもレベルがあって非現前や抽象的なものになるほど難しくなります。これは本記事の内容だけでなくことばの発達全体で共通します。つまり象徴機能というのはことばの発達において必要不可欠な存在であることを皆さんにお伝えしたかったです。