助詞と聞いてどのようなものを思い浮かべますか?
「(わたしは)は」「〜を」「〜と」などのことばを思い浮かべるが多いのではないでしょうか。
助詞といってもたくさんの種類があり、ことばを繋げて話す文レベルでの発話に必要なものとなります。
文レベルで話始める時期といえば2歳前後でしょうか。
知らず知らずと獲得していますが、これらにも細かなステップが存在します。今回はそんなお話です。
助詞の種類
そもそも助詞とはことばの意味を変える性質を持っています。
例えば、助詞の使い方を間違えてしまうと文全体の意味が異なります。
次の文を見てみると…
①A君はりんごを食べる
②A君とりんごを食べる
①はA君が1人でりんごを食べている場面に対して
②はA君+話し手が一緒にりんごを食べる場面を想像することができます。
このように意味が異なってしまうほど助詞の存在はとても大きいですね。
助詞といってもことばの間に来るものや文の終わりにくるものなどがあります。
そして大きくまとめると4つの種類に分けられることが多いです。
格助詞:ことばとことばの関係を示す
→が、の、を、に、と、って など
接続助詞:前後のことばを繋ぐ
→から、で など
副助詞:ことばそのものの意味を与える
→も、か など
終助詞:文の終わりにつくもの
→ね、よ など
私たちが普段会話をする時は無意識の内に使い分けて話していますが、実際にはこのような種類があったのです。
助詞の習得順序
文レベルで話始める年齢は2歳前後。
文レベルを話ていくと周囲の人の話に影響されて自然と使い始めていきます。どのように使い始めるのかと言うと…
①終助詞(ね、よ) 2歳前
例)りんごね、りんごよ
②格助詞(が、の)、副助詞(も) 2歳前半
例)わたしが、わたしの
③格助詞(って)、接続助詞(と) 2歳後半
例)〜ってなに、〜と遊ぶ
このように少しずつ使い始めていきます。
しかし習得順序はあくまで個人差があります。
例えば接続助詞(と)に関して。「りんごとばなな」のように2歳前後の子どもでも使っている場面が見受けられます。子どもの発話意欲や語彙のレパートリー、語彙の種類などによって使い方は異なってきます。そのため上記のような習得順序ついては参考までに留めておくと良いかもしれません。
助詞の習得順番はわかったけど?
習得順序は上に示した通りですが、文レベルで話始めた子どもにとって助詞の使い方は難しく感じます。
最初は助詞の「ね、が」が言えるようになったとしても…
たくさん使い始めると間違った使い方がみられます。
しかし、間違った助詞の使い方は子どもが通る道です。間違って当たり前です。
もし間違った助詞を使っていた場合は柔らかくお手本を言い聞かせてあげましょう。何度も正しく助詞を使えるようにその場で繰り返し言ってもらうことはしなくて構いません。
まとめ
単語でのことばが増え始めると、ことばとことばを繋ぐ文レベルでの発話。
その文レベルでとても大事な存在となる助詞。
個人差があるため、全ての子どもに対して助詞の獲得順序が当てはまるわけではありません。
助詞を使い始めると必ずと言って良いほど間違った使い方をしてしまいます。その時は無理強いして訂正しなくて構いません。
子どもにとって助詞の練習となることはたくさんお話すること。
たくさんお話しをすると子ども自身で「あれ?この使い方違うかも」と自己認識して訂正するようになってきます。そのため助詞を使い始めた子どもに対しては、たくさん話ができるような環境を作っていくと良いかもしれませんね。