こんにちはコトノハ教室です。
ことばを話すということは表面的に現れるため気付きやすいですよね。
しかしいきなり話し始めるという訳ではありません。
見たり聞いたり様々な刺激を感じながら学んでいきます。
お母さんお父さんの声をなんとなく聞いたり、軽やかな音楽を自然と聞いたり…
外の暖かい気温や肌寒さを肌で感じることなども大切な刺激です。
1歳くらいになるとことばを話始めると言われていますが、ことばの発達は様々なこのような刺激の中から育まれていきます。
話始める前に理解する
ことばは音として外の世界に発せられるため、周囲の人たちは気が付きやすいですよね。
子ども:「ママ」「パパ」
ママ・パパ:「ママ」「パパ」って言ってくれた。
話し始めてやっと理解しているということに気が付きます。
しかし、実際には話し始める前から理解は始まっています。
子ども:(『「ママ」はお母さんのこと』でもどうやって声を出していけばいいのかな)
↑のように話し出すことより理解することが先です。
子どもたちは自然とお母さんお父さんの会話を聞いたり、見ていたり。
そんな一つ一つの状況を子どもたちは学習しています。
そして理解出来るようになったら大人たちの口元を見たり、反応を伺いながら声を出すという手段を覚えていきます。
このようにことばを話し出す前から【ことばを理解する】ということを学習していきます。
会話する時は理解することが求められる
ことばを話せるようになってきたら、ことばのキャッチボールが始まっていきます。
ことば私たちが会話をする時は相手の言ったことばを聞いてそれに対して返答をします。(逆も然り)
このことばのキャッチボールでも、ことばを理解するということが必要になります。
会話のパターンを下記図のように記してみました。
【A聞く】というのは相手に話しかけられた時です。
話しかけられた内容を頭の中で【B意味を理解】して整理していきます。
【B意味を理解】で整理したら、何を話すか決めて【C話す】で相手に伝えていきます。
さらに具体例を挙げると
このように【ことばのキャッチボール】でも意味を理解するということが求められていきます。
オウム返しってどういうことば?
相手の言ったことをそのまま繰り返して言うことをオウム返しと言います。
A君がりんごを見て「りんご食べたい?」とB君に聞いたところ、B君も「りんご食べたい?」とA君のことばをそのまま繰り返すことをオウム返しと言います。
オウム返しは上図(会話のパターン)の②のルートを通っています。
ことばの理解を理解することが難しく、聞こえた通りに繰り返して答えてしまいます。
ことばの始まりの学習は真似をすること。
オウム返しはことばを覚えたての子どもに見られることがあります。
オウム返しがあったら?
オウム返しは決して悪いことばではありません。
子ども自身もことばを理解しきれず、悩んでいる証でもあるかもしれません。
もしオウム返しが見られたら、りんごを子どもの前に見せて聞いてみましょう。
実際のものを見ることによって、「りんご」という音声が果物の“りんご”であると結びつきます。
オウム返しが多くなったら、もしかしたら相手は負担に感じているかもしれません。
その場合は、会話をやめて休憩時間にしたり、実際のものをみせる、声かけの仕方を変える工夫が必要です。
オウム返しの裏に隠れている本当の気持ちに気づくことが大切なことです。
質問する時の工夫
「なに」などの疑問詞を使った質問は子どもにとって難しいことばです。
もしかしたら、疑問詞を使ったことばになるとオウム返しが多い…と感じる方もいるかもしれません。
質問にはクローズドクエスチョンとオープンドクエスチョンという2つの方法があります。
オープンドクエスチョンは「何を食べたい?」のように相手にある程度自由に回答してもらう質問になります。
この質問は相手の考えを幅広い範囲内で回答することが出来るため、ことばのキャッチボールを続けやすくなります。
一方、相手は自分で考えなければならないため、負担が掛かってしまいます。
オープンドクエスチョンの対義語としてクローズドクエスチョンということばがあります。
クローズドクエスチョンは「”りんご“食べる?」のように、YES-NOで答えてもらう質問です。
この質問は相手がYES-NOのみで答えられるため負担がとても少ないです。
一方YES-NOのみでの回答なため、ことばのキャッチボールが一往復で完結してしまいやすいです。
ことばのキャッチボールを始める際はオープンドクエスチョンやクローズドクエスチョンを適宜組み合わせましょう。
(ex.オープンドクエスチョンで質問をして相手が答え辛そうであれば、クローズドクエスチョンで聞いてあげる。)
オープンドクエスチョン⇒ある程度自由な回答な質問 ex)「何を食べたい?」
クローズドクエスチョン⇒選択肢を狭める質問(yesーno) ex)「りんご食べる?」
まとめ
ことばの発達は“理解する”ことがとても大切です。
ことばを話すということは表面的に現れるため周囲の人はわかりやすいですが、“理解する”ということはその人の裏側にあるため、周囲の人からはわかりにくいです。
そのため“理解する”ということに目を向けることが自ずとと少なくなります。
ことばを覚え始めた子どもには特に理解面に意識を向けることが大切で、表面的に出てきたことばに対して本来の言いたいことを言えているのか、使い方が合っているのか探りながらことばのキャッチボールを楽しみましょう。