セラピストで開業するために【理学療法士-作業療法士-言語聴覚士】

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は医療従事者としての医療機関や老人福祉施設、児童福祉施設等での法人に属して活躍している人が多いのではないでしょうか。

そのような人たちですが、「自身で店舗を持ちたい」「開業したい」そう思う人は大勢います。

しかし、その中で実際に行動に移す人は1割も満たないでしょう。

開業するというのは戦略を作り込む必要があり、計画を立てるだけで頭が痛くなります。

医療や福祉の財源は主に行政からの公金で賄われています。

もちろん開業して公金で収益を上げる方法もありますが、公金以外で収益を上げたいと考えている人も多いと思います。

そのため今回は公金以外で収益を挙げたい人を対象として話を進めていきます。

開業の注意点

医療行為は行ってはならないということ。

所持している資格の法律を参照ください。

例えば言語聴覚士といえば、『言語聴覚士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として、医師又は歯科医師の指示の下に、えん下訓練、人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うことを業とすることができる』(言語聴覚士法 第四十二条)。

そのため、言語聴覚士を名乗って嚥下訓練や人工内耳の調整を独断で行う事は出来ません。

しかし「食事トレーニングを提供している人が多いのでは?」と思った人がいるのではないでしょうか。

そのような人たちは言語聴覚士等の名称を使わずサービスを提供しているので言語聴覚士法には該当しません。

それに加え食事トレーニングは直接食事を食べてもらうのか。

それとも情報提供としてサービスなのか。

情報提供が禁止となると一体誰が食事について世間に広めるのか…。この辺りを考えると啓蒙活動というのは非常に大切であると共に、開業の活路を見出せるのではないでしょうか。

保有資格の業務で開業をするのではなく、知識を活かして開業をするというイメージを持つと良いかもしれません。

開業セラピストにはどのような働き方がある?

セラピストが開業するためには医師の指示がいらない事業であれば可能です。

しかし開業するには臨床経験だけでなく経営戦略的な思考が必要となります。

法人に属して勤務した時は割り振られた利用者に対してアプローチをしますが、開業するということは自身で仕事を見つけに行かなければなりません。

収益化

どのようにして収益を上げるのか。主な収益源を決めます。開業を検討している人は何かしらのやりたい事が決まっているのではないでしょうか。それが主な収益源となります。

リラクゼーションサロン
美容サロン
ことばの教室
コンサルテーション
巡回相談
教材書籍作成
ウェビナー・セミナー   等

これらの事業から収益を上げていくことが考えられます。

集客方法

収益化する構造を決めても顧客がつかなければ収益は発生しないでしょう。

そのため集客方法について優先的に決めていきましょう。

ここで躓いたら事業が失敗と言っても過言ではありません。

主な集客方法は営業、SNSを挙げました。

下記のいずれの方法もパンフレット作製やアカウント作成等が必要となるためそれらに精通した技能が必要です。

営業

近隣の同事業所や相談支援事業所、市町村等に対しての挨拶回りがあります。

行政機関は社会資源としての把握も重要な役割なためパンフレットを置かせてもらえることが多いです。

地域情報誌を用いて掲載する方法もあり、その場合は媒体となるメディアの募集要項を確認しましょう。

SNS

SNSは普及されるようになり活用している事業所がほとんどです。

SNSはInstagramを代表とする写真・画像を中心とするもの、YouTubeやTikTok等の動画配信、Twitterや note等文字投稿等様々なSNSがあります。

事業所の公式SNSとして運用してホームページの代わりとして運用することも出来ます。

開業するための費用

イニシャルコストランニングコストの2つを考える必要があります。
開業する前にこれらのコストを考えて支出面を検討していきましょう。

イニシャルコストとは

開業時に必要となる経費のことを言います。

初期費用と呼ばれるものが該当します。主に契約費用や内装費だったり。

事業開始前に必要となる費用です。そのため前もって準備資金として貯蓄や借入等で準備する必要があります。

ランニングコストとは

毎月発生する必要費用のこと。テナント代や通信費、人件費等が該当します。

初月からランニングコストを賄える収益を上げることは難しいので、損失と利益が交わる月(損益分岐点)の予測を立てイニシャルコスト同様に準備しましょう。

例)事業開始後6ヵ月で赤字がなくなる計算であれば、赤字がなくなる6ヵ月の間の資金を準備する。

価格設定の決め方

固定費・生計費・稼働日数(回数)の算出

まずは固定費のおおよそ。

テナント代、光熱費、通信費など。高く見積もっておきましょう。

次に自分の生計にいくらの金額が必要か。

生計が成り立たなければ開業も何も残りません。自分を大切にしましょう。

仮に固定費20万円、生計費20万円とすると合計40万円必要です。自店舗の稼働を20日とします。

価格決定

上記で必要費用で計算を行うと
1日あたりの必要収益は40万円÷20日=2万円
1日に2万円の収益で運営が成り立ちます。

次に1日に何回のサービス提供を行うか。4回/1日であれば5千円の価格(2万円÷4回=5千円)
3回/1日であれば7千円弱(2万円÷3回=6,6千円)

サービス内容、固定費・生計費、稼働日数・回数が決まれば自ずと価格は決まります。

しかし、サービス価格は需要と供給の交わる点(均衡)で決まります。

価格を低く設定したら回数をこなす必要があります。

価格を上げたら回数は減りますが需要が減るかもしれません。このバランスを見極めることが非常難しいです。

開業時から顧客はつかない

設定した価格で事業を開始といきたいところですが、開業初月から顧客がつく可能性は極めて低いです。

即ち開業時は3回/1日のサービス提供は困難な恐れがあります。

1回/1週あれば上出来ではないでしょうか。

そのため開業前から資金繰りや集客が非常に重要となります。

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セラピストとしての自己研鑽

どのような形態でサービス提供するかわかりませんが、中には臨床から離れた働きをする人もいるのではないでしょうか。

「私はもう絶対にセラピストに関する仕事はしない」と決心している人は別ですが、そうでない場合は臨床の知識として自己研鑽を怠らないべきです。

臨床の研究は常に最新のものに更新されていきます。

それらの情報を掴むことや基礎知識を再度確認することで記憶に留めることも出来ます。

昨今はオンラインセミナーが普及してますが全セラピストに共通した自己研鑽出来るセミナーとして【リハノメ】を進めたいです。

各セラピストの専門的な講座や共通した統計学や最新の知見等が盛りだくさんです。
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開業のやり方

事業を行うという事は収入の分だけ税金を支払わなければなりません。

そのためには開業届の提出が必要です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言い、事業を新設したり移転、廃業する時に税務署へ提出書類のことです。

開業届を出すことの一番のメリットは税制上大きく節税に結びつくということです。

開業後に2ヶ月以内に青色申告(所得税の青色申告承認申請書)を申請することによって最大で65万円が控除されます。

税金は売上から経費を引いた金額(所得金額)に対して課されます。

しかし青色申告特別控除を申請することで所得金額(売上ー経費)からさらに最大65万円を引いた金額に対し税金が課されます。

そのため控除を受けたい人は青色申告を申請しましょう。

国税局のHPから「個人事業の開業・廃業等届書」「所得税の青色申告承認申請書」の書式をダウンロードすることができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

詳細は『言語聴覚士が開業届を出してみた』で解説しています。

私は確定申告に必要な会計ソフトは【やよいの青色申告オンライン】を使用しています。

簿記や会計の知識がなくてもカンタン絹雄で初めての人でも簡単に確定申告をすることも出来ます。

まとめ

「開業してみたい」と検討しているセラピストは多いと思います。

この記事を見たという人は少なくとも興味があったのではないでしょうか。

開業するにあたり収益化の構造は集客方法等の事業計画を立てる必要があるため、難しく感じる人が多いかと思いますが、開業は行動した人にしか出来ません。

開業を本格的に検討し始めたら計画を立て自分と言う名のブランドを立ち上げると新たな世界が見えてくるかもしれません。

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