現役が伝える言語聴覚士がいる場所や仕事内容

言語聴覚士っていうけど、そもそも言語聴覚士ってなに?
どんな場所で働いたり何をしているの?

こんにちはコトノハ教室です。みなさん言語聴覚士という名前を聞いたことはありますか?

私が友人と会って「言語聴覚士やっているよ」と言うと「なにそれ?」と聞き返されることがほとんどです。

メディアやSNS等の情報発信が進んでいる現代でも“言語聴覚士”という名前に焦点が当てられることは少なく、まだまだ知名度はありません。

そのため、この記事では少しでも言語聴覚士という職業を知っていただければと思います。

言語聴覚士ってなに?

言語聴覚士は、理学療法士・作業療法士と同じリハビリをしている人です。

リハビリと聞くと骨折した時に
歩く練習をしているイメージあるけど

リハビリと聞くと先生と一緒に歩くことなどを想像しますよね。

実はリハビリはそれだけでなく、ことばに対してもリハビリもあります。

言語聴覚士は言葉が上手に話せない人を支援しています。

ことばが上手に話せないといっても想像しにくいかもしれません。

ことばが上手に話せないとは病気になって上手に話せなくなってしまったり、子どもの発達においてことばの成長がゆっくりな人など多岐に渡っています。

このような人たちと一緒にことばが上手に出るように関わることが多いです。

話すだけでなく、私たちが会話を出来ているということは【相手の声が聞こえている】ということ。

耳が聞こえないなどの悩みを抱えている人に対しても関わっています。

そして最近よく耳にする誤嚥性肺炎ということば。

この誤嚥性肺炎ということばは口の中に入れた食べ物が胃の中ではなく、肺に入ってしまい炎症を起こしてしまうというもの。

食べる機能が弱いと楽しくお食事を摂ることが出来なくなってしまいます。

言語聴覚士はことばの部分だけでなく、食べるという機能を上手にするために関わることが最近とても増えてきています。

言語聴覚士はことばを上手に話せない、ことばを上手に聞き取れない、食べ物を上手に食べられないという人たちを中心に関わっています。

言語聴覚士はどのような場所で働いているの?

言語聴覚士の有資格者は全国で3万6000人と言われていますが、言語聴覚士がいる場所は以下の通りとなっています。

医療機関→総合病院、リハビリテーション病院など
福祉施設→介護老人保健施設、児童発達支援センターなど
教育機関→小学校、教育委員会など

上記にない場所でも勤務している言語聴覚士もいるかもしれませんが、言語聴覚士の半数以上は医療機関である病院で働いていると言われています。

福祉施設の中でも介護老人保健施設といってお年寄りの方のいる場所勤務していることもあります。

そんな中、児童発達支援センターと呼ばれる子どもの支援を対象とした場所で勤務している言語聴覚士もいます。しかし、教育機関を含めて子どもに関わる職場で働いている言語聴覚士は少ないです。

児童発達支援センターや教育機関で働いている職員たちでも言語聴覚士を知らない人たちが結構いるので、たくさん情報発信して言語聴覚士の仕事を広めていきたいですね。

病院や福祉では働き方は違う?

どのような子どもと関わることが多い?

どのような子どもと関わることが
多いのでしょうか

私は言語聴覚士として子どもと関わっています。

どのような子どもたちと一緒に関わっているのかお話しをしていきます。

大まかに以下の3つの悩みを抱える子どもと関わっています。

耳に不安を抱える子ども
食べることに不安を抱える子ども
ことばに不安を抱える子ども

耳に不安を抱える子ども

小さい時から耳が聞こえにくかったり段々と気づきにくくなったり気がつくのがある程度大きくなってからなど様々です。まずは聞こえやすくなるように補聴器など聴力を補う機器の調整をすることもあります。 音が聞こえにくいとことばにも影響が出てきます。 そのためことばの練習だったり手話やサインなどコミュニケーションを円滑に取れるように一緒に練習していきます。

食べることに不安を抱える子ども

生後6ヶ月頃から離乳食が始まってくるかと思いますが、お食事が上手に進まなかったりコップで飲むことが苦手な子どもに対して一緒にお食事の練習をしていきます。 練習といっても保護者さんに対してお食事の形態を提案したり上手に食べられる姿勢や食事の食べさせ方などをお伝えする方が多いかもしれません。

ことばに不安を抱える子ども

言語聴覚士としてたくさんの子どもたちと関わっていますが、ことばに不安を抱えて相談にくる方がたくさんいました。 ことばの数がゆっくりだったり、上手にお話することができなかったり。 話す側面ばかりでなく、文字の読み書きに躓いてしまう子どもなど、ことばの悩みでも様々な悩みを抱えています。 そのような子どもたちとことばを促せるように練習をしたり、ご家庭でも実施できる促し方などを保護者の方と一緒に相談しあったりしています。

まとめ

言語聴覚士という人を少しでも知ってもらえたでしょうか。

言語聴覚士という知名度はまだまだ低いかもしれませんが、言語聴覚士を必要とする人はたくさんいると考えています。

病院などでは大人の人を中心に関わることが多く、子どもと関わる言語聴覚士はほんの僅かです。

子どもと関わる言語聴覚士は少なく、病院などへ行っても数ヶ月待ちや受付停止中などの場合も増えてきています。

最近は民間会社の事業所も参入してきて、ゆっくりですが言語聴覚士の働く場所も増えてきています。

増えてきているといってもまだまだ不足しているので今後子どもの領域で働く言語聴覚士が増えることを祈るばかりです。

私自身、直接的に子どもと関わるということと子育てや発達支援に関する情報発信を続けていきたいと思っています。

言語聴覚士協会では言語聴覚についての説明がより細かく書かれています。

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