こんにちはコトノハ教室です。
前回記事の応用行動分析ってなに?の話をもう一歩踏み込んでお話しをしていきます。
応用行動分析(以下ABA)の考えを取り入れたものの中に
不連続試行法(Discrete Trial Teaching 以下DTT)
機軸的行動発達支援法(Pivotal Response Treatment 以下PRT)
といものがあります。
DTTとPRTの2通りの考えがありますが、どちらも同じABAの考えのため全く異なるというわけではありません。
それでは以下からDTTとPRTについてお話しをしていきます。
簡単に応用行動分析について
応用行動分析について簡単にお話します。詳細を知りたい方は前回記事を参照ください
応用行動分析は三項随伴性に沿って考えていきます
三項随伴性とは
①先行事象
②行動
③後続事象
のことを言います。
お菓子売り場の前を通って子どもが泣いたらお菓子を買ってくれたという例で考えると
①先行事象
→お菓子売り場の前を通る
②行動
→(子どもが)泣く
③後続事象
→お菓子を買ってくれた
と3つの場面で分けることができます。
この泣くという行動を変えていくには①先行事象と③後続事象をどのように変えて良い行動に結びつけるか分析することが応用行動分析となっています。
DTT(不連続試行法)とは
DTTは主に個別場面において新たな能力を学習していく方法です。
たとえば
子どもに「ママ」という言葉を真似して言ってもらいたい場合。
①先行事象
→椅子に座ってもらう(椅子でなくても集中できる環境であれば構いません)
②行動
→「ママ」と真似して言う
③後続事象
→ご褒美をもらえる
DTTではこのように学習して欲しい能力を大人が設定して、それが出来たらご褒美をあげるという手法です。
この例では「ママ」という言葉に対して学習を設定しましたが、言葉以外のことに関しても“ボタンをつける”などの手先の学習や学校の宿題なんかもこれに当てはめながら学習することが出来ます。
PRT(機軸的行動発達支援法)
DTTは大人が学習内容や場面を設定しましたが、PRTでは日常場面など、より自然に近い環境で学習していく手法です。
たとえば
部屋に置いてあるおもちゃをみて「取って」と言うとおもちゃをもらえる
①先行事象
→(部屋に置いてある)おもちゃをみる
②行動
→「取って」と言う
③後続事象
→おもちゃをもらえる
PRTはごく当たり前のように感じるかもしれませんが、より自然な流れで学習をしていきます。
まとめ
DTTとPRTの大きな違いとして…
DTTは学習することを設定して、それに沿って環境を整えていきます。
一方PRTは学習や環境を限定的にせず、日常場面のような自然の流れで学習をしていきます。
学習内容や環境を限定するのかしないのか
これが大きな違いかと思います。
DTTがいい。PRTがいい。 など一概には言えません。
個別場面ではDTTで学習する内容を限定していき、個別での学習を般化できるように集団場面や日常生活場面でPRTを活用していくことが良いことかと思います。