子どもに絵本を読んであげたいけどどんな本がいいの?
「子どもに絵本を読んであげたい」そう思う親は多いのではないでしょうか。
絵本は子どもが発達する上でいくつも重要な役割を担っています。
例えば”言語の発達”絵本に出てくるイラストや繰り返しのあるフレーズを楽しむ内に自然と発語や、大人に絵本を読んでもらうことでコミュニケーションが生まれ愛着形成に繋がります。
絵本には大きく分けて3つの種類がありそれぞれに対象とされる年齢があります。
本記事では絵本の選び方をポイントと共にご紹介していきます。
絵が主となる絵本-おすすめ年齢:0歳・1歳・2歳
主にイラストがメインとなる絵本です。
文字が少なく”動物””食べ物”など統一感のあるイラストで構成されています。図鑑など(知識絵本)もこれに属します。
絵本のページが分厚くしっかりとしたものが多く子ども自身が初めての絵本として楽しみやすくなっています。
この年の子どもたちは喃語が出始め、初語に繋がる大切な時期です。
まずは『ファーストブック』と呼ばれる絵本を選び、子どもが絵本を好きになれるように導いていきましょう。
子どもの好きなジャンルのものを選ぶ事で興味を示しやすくなります。
絵本を読み聞かせていく中で、
子どもが「これなあに?」と視線や指差しで訴えてきたら「りんごだよ」「うさぎだね」等答えてあげましょう。
絵本の文字通りに読むといった事に囚われすぎず絵本を一つのツールとして使うことがポイントです。
次第に自分で絵本を眺めにこにこと指差しする姿も出てくるでしょう。
子どもが絵本に集中している時間は、声を掛けず見守る事も必要です。また、外出時などに見たものを家で絵本を通して一緒に振り替えることもおすすめです。
「今日わんわんいたね~」と絵本のイラストと現実の”犬”を繋げる事で子どもの中での”犬”というイメージが確立されます。
逆に絵本に出てくるものを実際に見に行く事もいいかと思います。(例えば魚に興味を示している→水族館に行ってみよう!など)
上手な声かけの方法は『ことばを育む声かけ・ことばかけの方法』で詳細は解説しています。
やさしいいろいろかくれんぼ
しっかりとした紙でできているこの一冊。
一つ一つのイラストが大きくとても見やすいです。野菜以外にも様々な種類がありシリーズで揃える事もおすすめです。また穴抜きページが子どもの「めくりたい」といった興味を引き出します。
あかあかくろくろ
このシリーズで有名なのは「しましま ぐるぐる」ですが、こちらもおすすめなのでご紹介します。
色に着目したこの絵本は、かわいいイラストとともに「あか」と「くろ」が分かりやすく出てきます。同じ言葉がたくさん出てくるので子どもが真似しやすい一冊です。
繰り返し表現が多い絵本-おすすめ年齢:1歳半・2歳・3歳
有名なものでいうと『おおきなかぶ』がこれにあたります。
次々と登場人物が増えながらも”かぶを引っ張り「うんとこしょ どっこいしょ」”といったフレーズを繰り返して物語が進んでいきます。
子どもたちはこのような繰り返し表現が大好きです。
ストーリーの理解ができていなくても読んでくれている大人と一緒にフレーズを楽しむ事ができます。
また繰り返しの表現は次の展開を予想する力を育てるのに効果的です。
次の展開を予想しそれが当たると自信がつきます。そして文字が読めなくても絵本を楽しむ経験が絵本を楽しいと思う事へ繋がり、次第に好奇心や想像力の発達へと繋がっていきます。
絵が主となる絵本で絵本に親しみを持つようになってきたら繰り返し表現が多い絵本に移行していきましょう。
繰り返し表現のある絵本は動作をつけやすいものが多いのが特徴です。
上記で例に挙げた『おおきなかぶ』ではかぶを掴むよう手を揃え「うんとこしょ どっこいしょ」と身体を動かしながら読む事がポイントになります。
動作が付くことで絵本にあまり興味のない子も楽しみやすくなります。
また、そのフレーズを気に入り発語がまだであってもベビーサインのように「読みたい」とアピールしてくる事もあります。
その姿を見逃さずに読む機会を増やしていきましょう。また、フレーズを覚え絵本と別の場所で楽しむ姿も多いです。大人もいくつかのフレーズを覚えておく事で様々な場面で子どもと遊ぶ事ができとても便利です。
おしくら・まんじゅう
個人的おすすめNo.1の絵本です!「おしくらまんじゅう」のことばに合わせて身振りをつけると子どもたちも喜んで真似してくれます。作者は有名な「だるまさん」シリーズの「かがくいひろし」さん!この方の絵本は間違いなしだと思います。
ぼうしとったら
予想外の展開に大人も早くページがめくりたくなる一冊。仕掛け絵本の要素も入っているため子どもたちが興味を持って聞きやすくなります。次の展開の前に一拍あけ、子どもと一緒に展開を予想したり期待させるような読み方がおすすめです。
物語のある絵本-おすすめ年齢:4歳・5歳・6歳
絵本と聞き一番に思い付くのがこの種類ではないでしょうか。起承転結で形成されているものが多く大人でも楽しめるようになっています。
同じ物語のある絵本でも難易度があり2、3歳でも理解できるものからある程度集中力が必要なものまで様々です。
その子どもの成長や理解力にあったものを選びましょう。
読み聞かせの際はことばのフレーズや台詞などに合わせて強弱をつけると子どもが聞きやすくなります。
また、予め大人が内容を理解しておくことで物語を簡単にアレンジすることも可能です。
この言い回しは難しいかもと感じたら分かりやすいものに言い換えてみましょう・登場人物の名前を子どもの名前に変えてみても面白いかもしれません。
上記に書いた通り2、3歳の子どもに読む際は物語が分かりやすいものを選びましょう。
物語の途中で「○○大丈夫かな」「○○~だね」などと物語に沿った声掛けをしてもいいですがある程度一定の時間集中して聞く事ができるようになってきたら読み終えてから感想を共有するようにしましょう。
物語のある絵本は一定の時間集中して聞くといった力が必要になるため、読み聞かせる環境が大切になってきます。
周囲に気が散るようなものがないか確認してから読み始めましょう。寝かしつけに用いるのも良いです。
4、5歳になると文字に興味を持つようになる子が出てきます。そしたら子どもが自分で読めるような絵本選びをしていきましょう。
内容は簡単でもひらがなが多いものや大きいものが良いです。
自分で読めるという事が絵本への興味関心に繋がり、次第に小学校でも役立つ力となります。
ひらがな学習の詳細は『ひらがな練習の進め方!ステップ別の解説と無料プリント』で解説しています。
わにわにのえほん
わにわにシリーズは、絵と文字が分かれていたり、文字数が少ないため文字を読み始める子にとって文字に集中しやすくおすすめです。ゆったりとした物語の展開で分かりやすくなっています。
あかずきんちゃん
4、5歳頃になったら少しずつ有名なお話に触れていくのもいいと思います。
この絵本は子どもが読みやすいサイズでお値段もお手頃です。少し長いのでいきなり子どもが一人で読み始めるよりも、大人と一緒に読みながら物語を理解する事で子ども自身でも読みやすくなります。
何歳でも楽しめる絵本
下記の絵本は年齢や発達に関わらず楽しむ事ができる絵本です。ただ、紙が薄いため小さな子どもには注意が必要です。
ミッケ!
写真の中から指定されたものを見つけます。子どもが自分で問題を読み見つけるという中で集中力が身に付いたり達成感が味わえます。数人で協力して探したり、自分で問題を考えて楽しむこともできます。
遊べる絵本の中にはシールが付いているものや引っ張ったりめくったりすると動くなどの仕掛け絵本、音が鳴る絵本などもあります。
おーいかばくん
CDつきの絵本です。絵本の物語がうたの歌詞に沿っているので小さい子どもでも一緒に楽しめます。小さい子どもたちが物語のある絵本に馴染んでいくきっかけにも使えると思います。
有名なものですと「はらぺこあおむし」もこれに属します。
おもちゃのチャチャチャ
同じくうたの絵本。こちらは有名な「おもちゃのチャチャチャ」がイラスト付きで絵本になったものです。小さい子は歌詞がイメージしにくく何番もあると覚えるまでに時間がかかります。保育園・幼稚園等で用いられることが多いです。
試し読みが出来る絵本ナビ
絵本ナビは季節や行事に合わせた絵本や絵本キャラクターグッズを数多く揃えています。
8,900さつ以上が一部の試し読み、2,300冊以上が丸ごと全ページの試し読みが可能です。
おおきなかぶ、ねないこだれだ等ロングセラー絵本のマグカップ等、ここにしかないオリジナルの人気アイテムの他、数々の限定商品も大切な人への贈り物としても大好評です。
まとめ
本屋さんで絵本を選ぶとき、様々な選び方があると思います。
もちろん表紙や題名などからのインスピレーションで選ぶ事も良いと思いますが、特に年齢の小さな子どもには年齢や発達に適した絵本を選ぶ事が大切になってきます。
冒頭でも述べましたが、絵本は子どもの成長にとって欠かせません。
絵本を通して育つ力はたくさんあります。
・集中力
・想像力
・好奇心
・コミュニケーション能力
・言語力
・マナー
・相手の気持ちを考える力 など
赤ちゃんの頃には身近な大人とのコミュニケーションツールとして使われ、愛着形成の基盤となります。
絵本の内容を楽しむというよりは、好きな大人の膝に座り温もりや声から安心感を味わう事を楽しむ事がメインになります。
この時期にしっかりと絵本の時間を楽しむ事で次第に絵本のイラストや展開に興味が移るようになります。
しかしまだ自分では文字が読めず絵本を楽しむ事はできません。
絵本に興味があるが文字が読めない。そんな子どもたちには繰り返し絵本が適しています。繰り返し表現に気が付く事でイラストから自分自身で展開を想像する事ができます。
自分自身でページをめくり読めたという経験が自信になり、意欲に繋がるでしょう。そして成長とともに文字に気が付き興味が出てくる事で「自分で読む」という段階に移っていくのです。
イラストがかわいく、小さな子ども向けに見えても内容が難しいと子どもは飽きてしまい絵本の時間が退屈になってきてしまいます。一度苦手と認識したものは大人でもなかなか自分から取り組もうとは思わないですよね。
子どもの成長に合わせて適した絵本を選ぶ事で絵本を読む事が好きになり次第に小学校での勉学に役に立つ力となります。
今回ご紹介した適正年齢はあくまでも目安になりますので、子どもの反応をよく見ながら段階をあげていってみてください。