オノマトペってどのようなことば?

オノマトペは私たちの身近でさりげなく聞いていることばです。「ことば」というより「音」として聞いていることが多いでしょうか。

例えば雨の音は「ざー」、風の音は「ぴゅー」など。周囲の環境だけでなく、私たちがお腹を空かせるとお腹から「ぐ~」という音も聞こえてきます。このように身近にはたくさんのオノマトペで溢れています。

オノマトペはことばの獲得を促しやす自然な流れで度々使われることばかと思います。
今回はそんなオノマトペについてお話をしていきます。

オノマトペの種類

5種類のオノマトペ

擬音語 
外の環境などによって発せられる音 
例)ぴゅー(風の音)
擬声語 
動物の鳴き声や人の声 
例)わんわん(犬)
擬態語 
ものの状態を示す音 
例)がちゃがちゃ(鍵)
擬容語 
動物や人のようすを示す音 
例)てくてく(歩く)
擬情語 
心の状態を示す音 
例)ずーん(落ち込む)

オノマトペは全部で5種類のものがあります。
子どもにとってわかりやすいのは鳴き声でしょうか。
鳴き声以外にも風の音のような環境によって発せられる音やものの状態を示す擬態語であったり、オノマトペを細かく分類をすると5種類もあります。

オノマトペを使ったことばの発達

ことばはシニフィアン意味するもの)、シニフィエ意味されるもの)の関係から成立しています。
もし「いぬ」という音を聞いたら何を思い浮かべますか?
恐らく、動物の犬を思い浮かべると思います。
このように音と実際の生き物やものが結びついて私たちはことばとして会話が成立しています。

初めてことばを学ぶ子どもにとって「どうしていぬっていう名前なの?」と素朴な疑問が生じます。
犬という動物の名前を知らない子ども目線で考えた時に「わんわん」と「いぬ」という2つのことばであったらどちらが理解しやすいでしょうか?
恐らく「わんわん」と答える人が多いです。
なぜならば、犬という動物から発せられる鳴き声は「わんわん」であり、犬=「わんわん」ということが結びつきやすいからです。(有縁性
一方「いぬ」という音と動物の犬は必然的な結びつきはありません。(言語の恣意性

ことばを覚える時は物(または動物など)とその名前に関連性のある方が学習しやすいです。(つまり有縁性のあるオノマトペの方が学習しやすい

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聞き取りやす・言いやすい

オノマトペは聞き取りやすく言いやすいことばでもあります。

例えば「わんわん」(動物の犬)というオノマトペ。
「わんわん」は”わ”・”ん”という2種類の音であるということ、「わん」という音を繰り返すことばです。
このように音の種類が少なく同じ音の繰り返しであるということが子どもにとって聞き取りやすく言いやすいことばとなります。

音の数が少ない

音の数が多いということは認識しなければならない音が多いです。特に複数の音を繋げて話すというのは口の動きがまだ未熟な子どもにとって発音が難しかったり、単語全体として音を聞き取ることが難しいということが十分に考えられます。

同じ音の繰り返し

一つの音だけで成立する単語は少なく、ほとんどが2文字以上の組み合わせの単語です。単語数が長くなるほど子どもにとって難易度が上がります。しかし、「わんわん」のような同じ音(わん)を繰り返すことによって「さっきと同じ音だ」と捉えやすくなり、1つの言葉として理解できるようになります。

大人のことばを教えよう

オノマトペを使ったことばを使うことが出来るようになってきたら私たちが普段使っているようなことばも教えていきましょう。

例えば、「わんわん」という動物の犬であれば大人が普段言っている言い方である「いぬ」ということばです。
「わんわん」というオノマトペを学習したら次は大人のことばの習得を目指していきましょう。
生活場面で使われることばはオノマトペよりも大人が使っていることばの方が多いです。少しずつ周囲と同じことばでのコミュニケーションを行うことによって「ことばを話したい」という意欲を育てていくことが出来ます。

「わんわん」というオノマトペをすぐに覚えたからといって、急いで大人のことばを教えなくて構いません。
子どもにとって覚えたてのことばはとても嬉しいもの。覚えたことばを使ってコミュニケーションの楽しさに気付いていきます。
たくさんのオノマトペを覚えてことばの数が少しずつ増えてきたな~というタイミングで大人のことばを教えていきましょう。

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